“ひとり負け”のかっぱ寿司。買収したコロワイドの「外れた目論見」
牛角やかっぱ寿司、大戸屋など大手飲食チェーンの買収で成長してきた株式会社コロワイド。全体に対する居酒屋比率は少ないもののコロナ禍では業績悪化を免れず、グループ全体では約400店が閉店に追い込まれました。
今回の記事では、コロワイドが成長した軌跡と近年の業績、今後の戦略について解説したいと思います。
コロワイドは1963年に開店した「甘太郎食堂」がルーツです。その後、1977年に「手作り居酒屋 甘太郎」として業態変更し、1981年からは神奈川県を中心に直営方式による多店舗展開を開始しました。
1988年には358席からなる最大級の店舗を開店しています。カラオケ事業を始めたほか、居酒屋メニューに焼肉を取り入れるなどの施策を行いましたが、基本は居酒屋チェーン「甘太郎」として成長しました。2000年には東証二部に上場しています。
コロワイドと聞くとM&Aという印象がありますが、M&A戦略を始めたのは2000年代に入ってからです。日本人の酒離れが進み大手居酒屋チェーンの業績悪化が加速する中、コロワイドはM&Aによって脱・居酒屋業態を目指しました。
初手として平成フードサービスを2002年に買収し、2005年にはステーキ店や回転寿司店を展開していたアトムを買収しました。2002年3月期のグループ全体売上収益は284億円に過ぎませんでしたが、2006年度には1,000億円を突破しています。
居酒屋「甘太郎」が成功
2000年以降はM&Aで規模拡大
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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