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『THE SECOND』が選んだ「3点審査」を徹底分析。ギャロップ、マシンガンズ、囲碁将棋が「284点」で並んだ奇蹟の夜を振り返る

スタジオセットを囲む「青い炎」

THE SECOND

※『THE SECOND~漫才トーナメント~』フジテレビ公式サイトより

 最後にスタジオセットにも触れておきたい。『THE SECOND』では、格闘技のリングを模した四角い舞台を取り囲むように、フラットに観客席が配置されている。舞台は45度に傾いており、多くの観客は漫才師たちを正面からでなく、斜めから見る形になる。  この状態でカメラが正面から引くと、観客のあいだに隙間ができず、人で埋め尽くされた平野に漫才師が降臨したようなビジュアルになる。MC台も客席の後ろに離して置いてあるので、舞台に立つ漫才師たちに視線が集中するように構成されていると感じた。  ちなみに、舞台の下手に松本人志がいるのは、M-1の審査員席と同じ。M-1のファイナリストに残れなかった芸人にとっては、「ファイナルの舞台で松本人志にネタを見てもらう」という夢が叶う配置ではないだろうか。  多くの賞レースが赤を基調にしてセットを組むなか、『THE SECOND』は青をベースにしたセットだった。赤く燃える炎より、青い炎のほうが温度が高い。勝負を決める大会でありながら、お祭り感も合わせ持った『THE SECOND』。その高い熱量をもって、来年以降もぜひ続いてほしい。 <TEXT/井上マサキ イラスト/まつもとりえこ 編集/アライユキコ> 【まつもとりえこ】 イラストレーター。『朝日新聞telling,』『QJWeb』などでドラマ、バラエティなどテレビ番組のイラストレビューを執筆。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身。Twitter:@riekomatsumoto
ライター。大手SIerにてシステムエンジニアとして勤務後、フリーランスのライターに。理系・エンジニア経験を強みに、企業取材やコーポレート案件など幅広く執筆するかたわら、「路線図マニア」としてメディアにも多数出演。著書に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』(ダイヤモンド社)など。X(Twitter):@inomsk
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