（1）と重なりますが、第三者がいることで、相手が仮面を外した姿を見れる可能性もあります。女性であれば、隣の席のおじさんからのセクハラ発言、そして男性の場合は、見知らぬ人から理不尽に絡まれたり、喧嘩を売られたり……。そんな場面になった時に、言い返すのか、我慢してやり過ごすのか。 他のお客さんが酔っている時に、水を差し出して介抱するのか（スナックは大人の社交場なので泥酔は禁物ですが……）、迷惑そうな態度を前面に出すのか（出してもいいんですけどね！）。 二人きりでは生じなかった“外部からの刺激”があることで、互いの本当の姿が垣間見れるはずです。 男女ペアがスナックに行くと、ママからもお客さんからも、「二人セット」として扱われます。会話するときは、「あなた」ではなく、「あなたたち」について聞かれます。何事も、区別されるから、自認するのです。 二人きりでは、“相手方”だった人が、スナックに行くと、「（その場の空間での）パートナー」になっちゃいます。これは恋人や夫婦の疑似体験です。自分のパートナーとして、お相手は相応しい人かを考えるきっかけになるのではないでしょうか。 また、ママや他のお客さんとコミュニケーションをとり、共通の知り合いが生まれることで、いわゆるフェイドアウトをしにくくもなります。