更新日:2023年12月06日 18:43
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元“バズーカップ”アナウンサーのその後。日雇いバイトや「中途採用に50社ぐらい応募」を経て――大反響・2023年上期トップ10

初めての会社員経験から徐々に見えてきた「セカンドキャリア」

別府彩50社くらい応募してようやく正社員として採用してもらえたのは、住宅のパンフレット作成やイベント運営をする会社でした。『アナウンサー経験者ならイベントでMCもやってもらえそう』と考えていただけたようです。  本来はコピーライターの募集だったのですが、オートレース時代にはコラムを書いていたこともあり、コピーライターとしての可能性も買ってくれたのだと思います」  この会社では2年ほど働いたものの、労働時間が長かったこともあり、「先々を考えると厳しい」と転職を決意する。 「2社目はイベントの制作会社でした。ディレクターやスタッフ、MC、コンパニオンのキャスティングが主な業務。それまで自分が派遣される側だったので、ギャラの相場や必要なスキル、仕事の流れも理解していました。ここでは即戦力になれたと思います」  2社目では4年働いたものの、体調不良を機に退職。その後、大学時代にアルバイトでナレーターをしていた会社を経て、現在はキャスティング会社の株式会社エイスリーに勤務している。 「エイスリー入社は2020年1月でコロナ感染拡大前。イベントキャスティング事業の拡大のために入社。しかしコロナでイベントが中止になり、他部署に異動になりました。2022年に、エイスリー代表がずっと温めていたタレントのセカンドキャリア・パラレルキャリアを支援する事業を強化して進めることになり、私がこの事業を牽引することになったのです」

「タレントキャリアアドバイザー」として裏方に徹する

 表に出る立場から裏方へと転身したことをどう思っているのだろうか? 「業務は裏方がメインです。でも、今回こうしてインタビューして頂いたように、何か伝えたいことがある時に“表に出ることができる”のは、自分の強みだと思っています。自分がハブとなって、だれかの役に立てるなら出ようというスタンスです」  そもそもタレントやアスリート、アナウンサーのキャリアは不確定であり、引退後にどういった道を選べばいいのかも難しい。 「表舞台で長く活躍している人もいますが、多くの場合、稼げるのは数年です。『自分が好きでやっているんだからリスクを負って当たり前』と言われることもありますが、たくさんの人を楽しませる仕事だからこそ、安心してチャレンジすることに集中できる場を提供したいと思っています。また、引退した後も、本人が望まない仕事をすることはできるだけ減らしたいです」  別府さんは「タレントキャリアアドバイザー」の肩書きでアイドルなどのタレントやアスリート、アナウンサーのキャリアを支援するとともに、希望があれば再就職先を紹介している。 「基本的には、“現役で活動しながらできる仕事”と“引退してからできる仕事”の2軸で相談に乗ります。タレントの場合、突発的なオーディションのために融通がきく仕事のほうがいいという人や、世間に顔を知られているので、なるべく顔出しがない仕事がいいという人もいます。  先日、あるモデルさんには、エステサロンの受付の仕事を紹介しました。仕事の頑張り次第では、いずれ施術もできるようになります。  まだまだ女性アナウンサーやアイドルには『年齢の壁』が存在していて、30歳前後で将来に悩みます。さらに『今までこの仕事しかしていないので自分に何ができるのかわからない』と話す人も多いんです。カウンセリングしながら、これまで経験してきたことを棚卸して、進むべき道を一緒に探します。そのうえで、『こういうスキルを持っている人がいます』と企業様に人材紹介をしていますね」
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一般企業で活かせるスキルもある
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA

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