広末涼子のスキャンダルが注目され続けるワケ。近所の子供を見ている感覚
号泣、タクシー不払い…奇行も目立った
2001年5月、21歳だった広末はジャン・レノ(74)とダブル主演した日仏合作映画『WASABI』の製作発表会見で突如として泣き出した。取材陣に「感激の涙か?」と問われると、こう答えた。
「夢をかなえることと、自分を守ってくれる人がいること、そういう人がいるから負けてはいけないなと思ったり。でも、こういうことは勝ち負けではないと思ったり」(広末)
ポエムのようで、よく分からない。その直後の同4日に予定されていたNTTドコモの「iモード」のCM撮影は体調不良を理由に直前になってキャンセルした。取材陣や芸能界関係者から「どうしたの?」という声が上がるのも無理はなかった。
だが、半年後の2002年1月に行われた『WASABI』の公開記念会見にはケロリとした顔で現れた。号泣の理由について問われると、「あれは喜びの涙。あの時は失礼しました」と悪びれずに答えた。
さらに「(泣いている)映像を切り取られているのを見ると、みなさんにどう伝わっているのか分かりませんね。失敗したなぁ」と苦笑い。切り取られた映像には思えなかったが・・・。いずれにせよ、この問題をなかったことにした。
2001年7月にはタクシー料金の不払いを写真週刊誌が伝えた。広末は東京・西麻布の飲食店で俳優と遊興したあと、タクシーに乗り、そこからフジの連ドラ『できちゃった結婚』のロケ地である千葉県白浜町に向かった。距離は100キロ以上。だが、運賃約4万円を支払わなかったと報じられた。
タクシーを降りたあと、ダンスを踊るようなポーズを取ったこともあり、この報道は痛恨かと思われたが、広末は沈黙で乗り越えた。本人は気にしなかったのか、同8月には帰郷し、「よさこい祭り」を楽しんでいる。
大方の人も広末の行動を容認した。タクシーの料金不払いもダンスのようなポーズも「酔っ払っていたからだろう」と判断したようだ。味方も多いのが幸いした。また、それ以前に会見で泣き出していたことから、「広末なら、それくらいやってもおかしくない」といった認識も生まれていた。
2008年にはデザイナー・岡沢高宏氏(47)との4年3カ月の結婚生活にピリオドを打ったが、離婚がイメージダウンに繫がる時代ではないので、これはノーダメージだった。
2010年にはキャンドル氏と再婚。だが、スキャンダルのほうは止まらなかった。2014年、女性誌が佐藤健(34)との不倫疑惑を報じた。広末が夜、佐藤の住むマンションに入り、朝まで出てこなかったという。
相手の佐藤も人気者であることから関心を集めたが、2人の所属芸能プロが交際を強く否定したため、ケリが付いた。この問題もなかったことになった。
スキャンダルの発生パターンが全く読めず、意外性があるのも世間の耳目を集めやすい理由の1つではないか。
昨年4月、広末は家族への愛などをつづったエッセイ集『ヒロスエの思考地図しあわせのかたち』(宝島社)を刊行した。同5月には「ベストマザー賞」を受賞。今年2月には映画界屈指の権威である「キネマ旬報ベスト・テン2022」の助演女優賞を得た。同4月からは『らんまん』でNHK連続テレビ小説への初出演を果たした。
公私ともに最も充実している時期のはずだった。それだけに今月7日に『文春オンライン』が鳥羽氏との不倫を報じると、驚かされた。
また危ない橋を渡りたくなってしまったのか。
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
スキャンダル発生のパターンが読めない
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