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過去10年で1番人気2勝のみ‟荒れる宝塚記念”のヒント。ドゥラメンテ、キタサンブラック、ゴールドシップも取りこぼし

先行激化で、上がりを要する決着になりやすい

競馬

20年の宝塚記念と有馬記念、21年の宝塚記念とグランプリレースを三連覇したクロノジェネシス 
写真/橋本健

 また、もう一つのポイントはスタートから最初のコーナーまでの距離が長いということ。阪神競馬場芝内回り2200mは1コーナーまでが525mとなり、前半3ハロンのほとんどがコーナーを含まないコース形態となっています。そのため先行争いが激化しやすく、毎年のようにハイペースとなり上がりを要する傾向があります。  実際に過去10年の宝塚記念で上がり1位を記録した馬は6勝2着5回(1位タイがいるため計11頭)。なんと全頭が連対しているのです。一方で逃げた馬は1勝もしておらず、宝塚記念はハイペースになりやすいという事を証明しています。 「直線の短いコース+上がりを要する」。この2つの要素が宝塚記念の特徴といえます。

注目は有馬記念好走馬!

 そんな宝塚記念ですが、過去の好走馬を紐解くと、あるレースで好走しているという共通点が浮かび上がってきます。それは同じグランプリレースの有馬記念です。  有馬記念は直線距離が310mと短い中山競馬場芝内回り2500mで行われます。そのためスピード勝負になりにくいという傾向を有しています。  また、最初のコーナーまでの距離という意味では異なるのですが、長距離戦ということと開催後半で荒れた馬場+直線に上り坂があることから、有馬記念は上がりを要し、毎年のように逃げ馬が苦戦しているのも宝塚記念と同じ。  実際に2020年クロノジェネシスや2019年リスグラシュー、2009年ドリームジャーニーのように、宝塚記念を制した馬が同年の有馬記念も制するというケースが多く見られます。  前述のように多くの芝G1ではスピード勝負になる条件で行われています。宝塚記念と同じ「直線の短いコース+上がりを要する」という要素を満たしている有馬記念は相関性が高いというわけです。  今年の宝塚記念に出走する馬の中では、前年の有馬記念を制したイクイノックスは当然最有力の存在といえるでしょう。他には同レースで3着だったジェラルディーナや、2021年の有馬記念で2着に好走していたディープボンドにも注目です。 【宝塚記念については以前の記事でも少し触れているので、もしお時間がありましたらぜひそちらもご覧ください!】⇒宝塚記念と同じ阪神内回りコースでも異なる馬券戦略 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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