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<サッカー日本代表>10人相手に圧勝するのは当たり前…「序盤で試合が壊れた」場合のルール改善を願う

「序盤で試合が壊れた」エルサルバドル戦

 ボール保持率という数字だけを見れば、現在の日本代表が課題とする部分を強化できたかというと疑問符がついてしまう。実際に森保監督も、「1試合目(エルサルバドル戦)は相手が1人少なかったので、なかなか参考にするには難しいところもありました」とコメントしている。  対戦相手だったエルサルバドルも同様の見解で、「3分間で試合の展開が決まってしまった。(中略)日本は高い能力を持った選手がそろっているチームですから、2点のビハインドを追い、かつ数的不利な状況で試合をできるような相手ではありませんでした」と、ウーゴ・ペレス監督は語り、戦前のプランどおりにはできなかったことを説明した。  エルサルバドル戦は相手の退場によって試合が完全に壊れてしまった。1人多かろうが、局面局面ではいいプレーもたくさんあった。加えて、ペルー戦が良いゲームだっただけに、なおさらその差を色濃く感じてしまう。たらればが禁物なことはわかっているが、仮に退場がなければもっと実りある強化ができたのではないかと思うと、残念でしかたがない。

11対11で試合を進めてほしかった

 そもそも代表チームはクラブチームとは違って活動期間に限りがあり、1試合1試合が貴重な時間になる。その貴重な時間が今回は無駄に近い形になってしまった。  もう一度、思い出してほしい。今回の試合は日本にとっても対戦相手にとっても、チームの強化が主目的となっていた。それを踏まえると、退場者のいない数的均衡のまま試合を進行したほうが、互いの目的達成につながったのではないだろうか。  大きな大会前に実践形式を想定した親善試合であれば退場後の対応も目的のひとつになるが、今回の試合にその目的はない。それゆえに、11対11で試合を進めてほしかったと悔やまれる。
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「退場プレーヤーの補填」や「一時退場」を導入すべき?
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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