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「親のクレカでコンビニ弁当」平均年収1185万円“富裕層の街”港区が抱える子供の貧困

港区に子ども食堂がある理由

 宮口さんが港区で子ども食堂を手がけている理由には、ワケがあるという。 「経済的に自立できるということから、看護の仕事を選び、ご縁があって港区の施設で働きました。そこで、港区での多忙な家庭の現状や、ひとり親家庭、特に母子家庭が取り巻く家庭状況の苦しさを肌身で感じました。また、その渦中にいる子どもが体調不良や情緒不安定になってしまう現状も見てきました」  同NPO法人は子ども食堂を開く午後4時前に、学習支援をしている。宮口さんは「(この場を)交流の場にしてほしい」と語る。 「1人で食事をすることで孤立してしまう子ども、子どもと向き合うのにどうすればいいか分からないことばかりで疲れてしまう親もいます。親も子も、問題を抱えて孤立してしまうことが一番危険です。子ども食堂は貧困対策といったイメージを払拭したいです。子ども食堂を通して、訪れた人同士のつながりを作っていきたいから」

港区だけではなく、全国で起きている

港区貧困

さいき陽平区議

 子ども支援をマニュフェストに掲げる港区区議のさいき陽平氏は「核家族化や共働きが進んだことで、家庭内で親とコミュニケーションをとる時間が少ない子どもが増加傾向にあることから、行政が子ども食堂などの支援などNPO法人と連携していくことが求められる」と語る。 「各種子育て支援にかかわる所得制限を撤廃するなど、子育て支援の拡充を進めていますが、子どもの精神的な貧困の対策も急務だと感じています。心が常に満たされない、強欲で自己中心的、何事にも無気力などといったケースが、港区だけではなく、全国で起きており、子どもの潜在能力を失うことにもつながっています。誰かと感動する体験や、表現する喜びなど、そんな機会を行政は提供すべきと感じています」  東京の中心地で起こっている“子どもの貧困”。社会の状態や家庭など要因はさまざまだが、日本の未来のためにも、一刻も早い解決を望みたい。 <取材・文/週刊SPA!編集部(水戸サトシ)>
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