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「障害を個性として見てほしい」乙武洋匡と吃音芸人・インタレスティングたけしが対談

なぜ障害者だけがセンシティブに扱われるのか

生きづらい病

インタレスティングたけし氏

インたけ:乙武さんは、よくツイッターで障害のネタツイートしてますよね? あの反応ってどうなんですか? 乙武:もう13年くらいやってますけど、いまだに批判がきますよ。障害って、背が低いとか、運動神経が悪いとか、数多くの境遇の一つの要素だと捉えているんですけどね。 インたけ:僕も「子供たちが真似する」とも批判されましたけど、外見の特徴を武器にする芸人は多いですよね。そう考えると、障害者が特別扱いされるのは、変な話だなと。 乙武:本人が笑ってほしくてネタにしてると認識してるから笑うし、芸人仲間もいじる。ハゲで笑いを取っている芸人がいるからって、薄毛の上司をいじったりしないじゃないですか。  そんなふうにみんな個別に判断しているはずなのに、なんで障害者は「いじっていいのか、悪いのか」とひと括りで判断されなきゃいけないんだろうって。 インたけ:そうですよね。僕が吃音のある人の代表であるわけではないし、同じ障害者でも違う考えの人もいる。そのことをみんなにわかってほしいです。 乙武:なぜ障害者がこんなにセンシティブに扱われるかというと、単純に絶対数が少ないからだと思うんですよ。健常者もどう接していいかの経験が足りてないんです。“障害のあるAさん”ではなく、“障害者全体”として、主語が大きくなってしまう側面がある。  でもそれはお門違いで、自身の障害をどう捉えているかは人それぞれ。同情されたい、ほっといてほしい。インたけさんなら笑ってほしい。障害者とひと括りにするのはナンセンスで、その人の立場や価値観を酌むべきですよ。

偏見やカテゴライズからの脱却こそ、真の配慮

インたけ:僕は18年も芸人をやってて、この喋り方で売れたいんです! 乙武:本当、売れてほしい! そうすれば世間の吃音に対するイメージも明るくなるはず。めっちゃ売れて、吃音が羨ましがられるくらいになってほしいですよ。 インたけ:励みになります! ぜひネタ見てもらっていいですか? 乙武:もちろんです! 生きづらい病 当事者一人ひとりで捉え方は異なる。偏見やカテゴライズから脱却することこそ、ハンディを抱える人が求める真の配慮なのかもしれない。 【乙武洋匡氏】 1976年、東京都出身。作家。生まれた時から両上肢両下肢がない先天性四肢欠損。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』は600万部超のベストセラー。小学校教員や東京都教育委員などを歴任。 【インタレスティングたけし氏】 1979年、富山県出身。’05年に芸人デビューし、吃音を持ち味にした歌ネタが特徴で、都内のお笑いライブを中心に活動。吃音者の自助グループ「言友会」が主催する講演会に8月5日出演。 撮影/後藤 巧 取材・文/週刊SPA!編集部
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