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東大生が感動した「読むだけで、驚くほど語彙力が増える本」ベスト3

○大人向け『大人の語彙力大全』

(KADOKAWA)齋藤孝
『大人の語彙力大全』(KADOKAWA)

『大人の語彙力大全』(KADOKAWA)

 最後に大人向けとして紹介するのは『大人の語彙力大全』です。こちらは、明治大学文学部にて教鞭を執っておられる齋藤孝先生による一冊。  幼児向け、中高生向けはそれぞれ学習に使う補助線、すなわち参考書がありました。しかし大人が電車の中で参考書を広げるのは、ちょっと目線が気になるものがある。それでは、いったい何を使えばいいのか。この一冊は、そんな声にこたえたものになっています。大人なら知っておくべき単語、言葉、言い回しが、それもよく使うもの、耳にするものに絞って大量に収録されているのです。  こちらの本は6章仕立てになっており、基本語、敬語、言い訳、カタカナ語彙の頻出語、ビジネス語、そして上級語彙として夏目漱石が使っていた言葉がそれぞれ紹介されています。  ただし、基本語と言っても侮ってはいけません。確かに、第一章「基本語」に掲載されている言葉は、大学生の僕ですら知っているような簡単な語ばかりですが、時たまひやりとさせられるものがあるのも確かです。

語彙の運用範囲を知る

 みなさんは「慙愧」という言葉について、その正確な意味を知っているでしょうか? 例えば、「この度の失態は、誠に慙愧の至りです」という言い回しは正しいのですが、「あなたの行動は果たして慙愧の極みである」という言い回しは正しくありません。その理由がお分かりですか?  言葉というものは、言い回しだけを覚えておけばいいというものではありません。それぞれの語彙に、どの場面では使える、どの場面では使えないというように適用範囲が細かく定められています。それらを飛び越えないようにしながら言葉を使うからこそ、言語は難しいのです。  いまの質問で少しでもヒヤッとした方は、ぜひこの本を手に取ってみてください。  ここまで三冊の本を紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。語彙力はどれほど鍛えても損はありません。ぜひ自分に合う一冊を手に取って、今日から使える言葉の量を増やしていけば、1年後にはすさまじい量の言葉を使いこなせているかもしれません。  使える言葉は、そのままその人の知恵の量になります。知恵者と言われるまではいかずとも、馬鹿にされないためにも、最低限の言葉は使えるように常日頃勉強をしていくといいのかもしれません。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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