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超難関・東京藝大に集う天才たち「自分はモーツァルトの生まれ変わり」上位互換がごまんといる場所

 東京大学といえば、日本最難関クラスの大学。そこに通う学生の多くは、小さなころから塾通いをして名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」たちです。  最難関クラスの大学に入るのが難しいというのは、万国共通。東京大学に限った話ではありません。私立大学では早稲田大学、慶應義塾大学。音楽芸術系ならば東京藝術大学など、様々な難関大学がこの世には存在しています。本日はいつもと趣向を変えまして、東京大学の学生ではない難関大学の学生に話を伺っていきます。

藝大は自分の上位互換がごまんといる場所

石川健人さん

石川健人さん

 本日お話を伺うのは、東京藝術大学大学院生の石川健人さん。彼は、現役の音大生として音楽を勉強する傍らで、プロの作曲家として現代音楽を作曲しつつ楽譜を出版しており、吹奏楽向け、アンサンブル向け、オーケストラ向けに、様々な作品を作る最先端のクリエイターです。2022年の日本音楽コンクールでは、彼の作曲した作品が第一位受賞作品に選ばれるなど、いま最も注目すべき現代音楽作曲家の一人でもあります。  また、母校で音楽の教員をするなど、学生と教員、そして作曲家の三つの顔を持ち合わせながら創作活動に没頭しています。 『Beyond the Melting Pot Ⅱ for Orchestra』※2022年日本音楽コンクール第一位受賞作品 『雪の日に ソプラノと弦楽四重奏のための』  それにしても、東大ならまだしも、東京藝術大学、通称「藝大」というと、私のような芸術に縁遠い人間からすると、まったく分からない世界ですよね。本日は、そんな謎めいた藝大について伺っていきます。 「藝大は、一言で言うと自分の上位互換がごまんといる場所です。藝大生として作曲科に入学してくるような人たちは、それはもちろん作曲については自信がある人ばかりですから、自分がモーツァルトの生まれ変わりか、はたまたベートヴェンの再来か、という勢いで意気揚々とやってくるわけです。それが、藝大に来てみると一気に自信が崩れ去る。自分よりピアノが弾ける人、自分より耳がいい人、作曲がうまい人。そんな人、いくらでもいるのが藝大という場所です。だからこそ、僕が藝大に来て一番最初に感じたのは『世界は自分がいなくなっても回り続けるんだな』ということでした」  ただし、と石川さんは付け加えます。藝大は自分の上位互換、すなわち自分よりも一回りも二回りもすごい人が見つかる場所であるからこそ、ライバルや目標とする人が見つかる場所でもあるというのです。目標にする人や先輩の背中を追うことでしか磨けないことはたくさんある。だからこそ、藝大は素晴らしい場所なのだ、と教えてくれました。

藝大作曲科に入るためのテストは4回

 そんな藝大ですが、実は入るのも一苦労する場所です。医学部と同じように、二浪三浪なんて当たり前。石川さんは、その努力の甲斐もあって現役で入学された秀才ですが、その裏には大変な苦労があったと言います。 「藝大の作曲科に入るためには、四回の試験があります。一次試験は指定のメロディにハーモニーをつけていくテスト。二次試験は対位法とコラールと言って、やはりこれも与えられた旋律に対旋律をつけたり、和音をつけたりするテストがあります。そうして多くの人がふるい落とされた後の三次試験では自由作曲。これは8時間の制限時間の中で一曲を書き上げなくてはいけません。ここまでやって、四次試験の音楽基礎能力を問うテストに挑戦する機会が与えられるんです」  四回も合格発表を見ることがつらかったという石川さん。筆者も、東大の合格発表を見に行くとき、「落ちていたらどうしよう」という思いから足取りが重くなったことを思い出しました。そんな思いを一度ならず四度もするなんて、考えられません。  さらに、藝大に入るには座学の点数も必要になります。センター試験(いまの共通テスト)の点数もある程度は必要だったので、音楽とは別に国語と英語の勉強もしなくてはいけませんでした。 【もっと詳しい石川さんのお話を読む】⇒「新進気鋭の音楽家が語る『音楽を通じた社会貢献』の形とは」はこちらへ
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藝大に現役合格できた勉強法は?
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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