株主総会の醍醐味は、直接、経営者に質問できる点にもある。兜町関係者が話す。 「ソフトバンクG総会では孫正義会長が、後継者不在を突っ込まれた際に『楽しすぎて引退したくない！』と回答して笑いを誘った。一方、ニデック（旧日本電産）の永守重信会長は、株主が株価に不満を漏らした際に『下がってると思うならナンピン』『偉そうに言うんやったら、せめて1000株買えや』と最低単元株主を笑いものにしたり、会社所属スケート選手に対する五輪組織委の締めつけの強さを理由に『五輪はいらん』と言ったり、やりたい放題。株主からは『会長の発言が長すぎる』と苦情も出た（苦笑）」 　スクウェア・エニックスHD総会では、名作ドラクエ5で結婚相手として幼馴染みのビアンカと大富豪の娘・フローラのどちらかを選択できることになぞらえ、「社長はどっち派？」という珍質問も。その質問をしたすずき氏が話す。 「社長の立場だと、どっちも売りたいはずなのに、『断然』とつけてビアンカを選んだことには好感を持てたと同時に、決断力を感じました」 　このほか、総会でたびたび話題になったのはあの問題。 「ジャニーズのタレントを広告塔にする企業の総会ではイメージダウンに繫がらないか？と質問が飛び、テレ朝をはじめとした民放各社では私も含め、複数の株主から性加害問題を積極的に報じてこなかった責任を問う声が上がった。西武・山川穂高選手の不祥事も含め、性加害問題も今年の注目テーマでした」（同） 　時に株価を左右するので……今後の総会も注視すべし！