好きな音楽活動を続けるためには「お金を稼ぐこと」が当然大事だが、SIMON氏は「お金は貯めるものではなく使うもの」と常々考えてきたという。 「特に若い頃は、お金が入ったら入っただけ音楽活動のために使ってたかな。『このお金で海外に行って、あのアーティストのダブが録れる』みたいに、次にやりたいことにお金を使って、それで自分たちの活動が次のステージに進んでいく感覚があった」 　レゲエやヒップホップといったブラックミュージックの世界では、成功したアーティストは「いい服を着て、いいクルマに乗る」といった成功者らしい生活を送る人も多い。しかしMIGHTY CROWNはそうした生き方は最優先にはしてこなかったという。 「もちろん俺もいい車に乗りたいし、実際に乗っていた時期もあったけど、それは少し時間が経ってからのこと。ダブ録りのために海外に頻繁に通っていた頃は、そこに資金をつぎ込んでいたからお金の余裕はなかったし、『周りのみんなはいい服着てるのに、俺は1着くらいしか持ってねぇな』って感じることもあったよ」 　好きな仕事で実現したい夢や目標があるなら、そこにありったけのお金や時間を存分に使うべし――。これは成功の秘訣の一つといえるだろう。 　ただしサイモン氏は「自分の好きなことなら、お金の使い道はビジネス以外のことでも全然いいと思う」と話す。 「好きな家族のため、好きな時間のため、好きな空間のためになら、どんどんお金を使っていいと思う。人生は長いようで短いし、お金は死後の世界に持っていけないからね。それとお金を貯め続けるのって、お金の流れとしても気の流れとしても悪いことだと思う。お金も気持ちも同じで、やっぱり貯めすぎると爆発しちゃうから」