更新日:2023年07月23日 18:17
エンタメ

“普通の女の子”が六本木の路上で喧嘩するまで…話題のブレイキングダウン選手を直撃

Breaking Downに応募した理由は…

はろーあにー――大学進学後は、どんな活動をされていたのでしょうか。 はろーあにー:もともとは女優になりたいと思っていました。劇団に所属していた時期もあり、演技や歌、ダンスの基礎を学んでいました。  Breaking Downの女子選手募集が告知される少し前くらいに、とある舞台のオーディションに受かったんです。しかし体調を崩してしまい、いろいろな事情からその劇団も退団してしまいました。ちょうどそのくらいから、エンターテイメントで自分を表現してみたいなと思い始め、応募に踏み切りました。  世の中に数多いるエンターテイナーの中でも、喧嘩の場数のある私こそ魅せられる舞台なのではではないかと考えました。実際、オーディションの控え室などでも誰とも話しませんでしたし、乱闘のときは本当に怒りに任せて動いています。

“立ちんぼ実態調査”をやってみて感じたこと

――結果的に奏功しましたね、オーディション会場での乱闘騒ぎは印象的でした。一方で気になったのは、たびたびトー横キッズや新大久保界隈の立ちんぼなどの、いわゆる「性の売買」についての問題をテーマにしたTweetがありますよね。 はろーあにー:はい、この件についても、私が何か見識があるとか、そういう気持ちで呟いたわけではないんです。ただ、この問題を知ったときに、率直に「切ないな」と感じたんです。そして、その思いは、私自身が自分のYoutubeチャンネルの企画で“立ちんぼ実態調査”をしたときに、色濃くなりました。 ――はろーあにーさんが「立ちんぼ」を経験したということですか? はろーあにー:そうです、もちろん実際の取引はしていません(笑)。ただ、その場所に立って、男性から話しかけられるのを待って、買う側の男性からさまざまな話を聞きました。 ――差し支えなければ、印象的な男性の話など伺えれば……。 はろーあにー:ジャージを着た、かなりの高齢者がいましたね。おそらく年金暮らしだと思うんですが、妙に交渉がしつこく、「手でアレを触るだけでいいから、5000円でどう?」と。断ってもわりとついてきて、諦めてもらうのに苦労しました。自らの性処理をお願いするために、くたびれた格好でおそらく毎晩ここにやってくるんだろうなと思うと、「なんだかな」と重苦しい気持ちになりました。  別のサラリーマン風の男性からは「今日どんな感じ? ホ別(ホテル代別)1.5でどう?」と声を掛けられて、この場所の相場がそのくらいの価格なんだろうなとわかりました。  もっともぞっとするのは、彼らは私の外見を見ていないんです。その日は冬だったのでロングコートを着てマスクをし、目深に帽子を被っていました。つまり、誰でもいい。
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売る側も買う側も悪いけど…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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