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創価学会3世が“宗教エリート”の悩みを告白したワケ「献金はクセになる」

創価学会と高額な献金ノルマ

――統一教会では高額な献金ノルマが問題となっていました。 正木:あのようなことは創価学会ではまず聞いたことはありません。もちろん自主的な献金はあります。僕自身も毎年貯金を全額献金していました。変な話ですが、貯金がゼロになると物欲から解放されて、一時的に晴れやかな気分になれるんです。しかも世界平和のために使ってもらえるという喜びもありました。だから献金はクセになるともいえるかもしれません。献金をしてしまう人の気持ちもわかります。僕は婚約を機に全額献金することはやめました。親がムリな献金をしたため、子どもの進路が狭まるのは避けなければならないと思います。 ――創価学会は選挙活動にも熱心です。影響はありますか? 正木:かならずしも信仰と公明党の応援はイコールで結ばれるわけではないと僕は思っています。 それなのに創価学会は選挙活動にかなり時間や労力を割いています。僕は大学生の頃、「小学校の卒業アルバムを持ってきて」といわれました。卒アルに載っている連絡先の1軒、1軒に公明党に投票してもらうために電話するのです。  当時は、選挙活動に疑問を持っていなかったので、言われるまま電話しました。仲のよかった人でも怒るんですよね。絶縁されたこともあります。学会の人に相談すれば、「その程度の友情だったんだよ」と何の救いもない言葉をかけられました。今から振り返ると、ほんとうに失礼なことをしてしまったと反省しきりです。

題名を「サバイバルガイド」にしたワケ

宗教

※画像はイメージです(以下同じ)

――「サバイバルガイド」というタイトルのとおり、著書では宗教上の悩みだけでなく、親子間や恋愛、キャリア形成についても幅広くQ&A形式で悩みと向き合うためのアドバイスを送っています。一方で正木さんは最後までタイトルにある「サバイバルガイド」が引っかかっていたそうですね。 正木:宗教2世のなかには、ほんとうに重いものを背負っている人たちがいます。とてもサバイバルなんかできない。ナイフひとつなく、テントも張れないなか、ただ嵐が過ぎ去るのをいつまでも待つしかない。この本を読んだだけで解決する問題は限られたもの――そんな宗教的環境に生まれたことを恨んでいる2世に、どんなタイトルが響くのかと最後まで悩みました。 「サバイバル」では軽いのではないか、と。その一方で、そこまで深刻ではないけど、なんか生きづらいなと悩んでいる宗教2世が多いのも事実です。そういう人たちとって、悩みが深刻になるまえに対処するためにも「サバイバルガイド」は必要だと考え、この題名の採用に踏み切りました。発売してみると、若いかたからはかなり好意的に受け入れてもらえているので、ほっとしましたね。
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自分史づくり活動を仕事に
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編集プロダクション、出版社を経て独立。ビジネス系からカルチャー系まで多岐にわたって執筆する。趣味は映画観賞、自伝研究、筋トレ

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