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創価学会3世が“宗教エリート”の悩みを告白したワケ「献金はクセになる」

自分史づくり活動を仕事に

――正木さんは自分史づくりというユニークな活動もされています。どういう経緯ではじめられたのでしょうか? 正木:2020年頃、音声SNS「クラブハウス」で僕がインタビュアーになって、相手の人生を根掘り葉掘り聞く企画をしていました。そこでインタビューを褒めていただける機会があり、「正木さんに話を聞いてほしい」と声がかかるようになったんです。  なにか戦略があったわけではなく、ニーズが先にあり、お願いされるようになったので、「自分史づくり」が仕事になったのが流れです。学会員からの依頼もよくあります。「自分の信心の歴史をまとめてほしい」とお願いされます。これは同じ信仰者でなければ書けませんから。  どうしてインタビューが得意になったのか考えてみたところ、これは学会のおかげでした。学会の活動のベースになるのは、地域の仲間同士で悩みを聞き合い、励まし合うこと。相手に寄り添い、この人になら話してもいいと信頼を得なければできません。だから、学会員の中には聞き上手な人が結構いるんです。  世間のイメージとは離れていると思いますが……。それは信者ではない人と接するときは、入会させようという目標が先走って、相手の話を聞くのが疎かになってしまう人もいるからでしょう。内部の人=学会員の仲間に接するように、外部の人=学会員以外の人にも接することができるようになれば学会も変わるのに、とは切に思っています。もちろん内部の人に対する時でも「人としてどうなの?」と思わせるような接し方をする学会員はいますが。

宗教2世問題は解決に向かうのか?

宗教――宗教2世がクローズアップされてから1年が経ちました。事態は抜本的な改善が進まないまま、沈静化してきています。 正木:人々が関心を持てば、政治家も無視できなくなるのはわかりました。旧統一教会をめぐる被害者救済法案が成立したのは、まさに世論の力です。あのときの勢いは今はありませんが、これからは勢いに頼らなくても宗教2世の問題に社会が取り組んでいける息の長い運動を行っていく以外に道はないと思っています。 <取材・文/柏木隆之介> 【正木伸城】 1981年、東京生まれ。文筆家、マーケター、フリーランス広報。数多くのメディアで連載を執筆しながら、大手・中小企業などの事業支援を行う。創価高校、創価大学工学部卒。2004年に創価学会本部職員となり、同会機関紙・聖教新聞の記者として社会人生活を出発。その後、2017年に転職、IT企業2社や人材ビジネス最大手などでマーケティングや広報を担当。2021年に独立し、現職。『宗教2世サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)が初の著書
編集プロダクション、出版社を経て独立。ビジネス系からカルチャー系まで多岐にわたって執筆する。趣味は映画観賞、自伝研究、筋トレ
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