更新日:2023年09月04日 18:41
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数年は需要が高止まり!? 半導体の注目銘柄「ディスコ」を大研究

ディスコ 2023年下半期には日経平均4万円台を突破すると言われているほど盛り上がる日本株の中でも、半導体を取り扱う企業の銘柄は特別だ。
ディスコ

ディスコのロゴ

電子機器に心臓として使われる半導体不足は世界的な課題であり、米中競争の最前線ともいえる。その業界内で、半導体製造メーカーの大手「ディスコ」は7月3日、上場来高値を更新。台風の目にもなっている。はたして、今後、この日本企業はどのような存在になっていくのか。銘柄分析に定評のある億超え投資家・かっちゃん氏に徹底解説してもらった。

ディスコの魅力①~0.5mmのシャーペンの芯に縦横8つの溝を入られる技術

 そもそも半導体製造業界は、設備投資から生産までかかる時間が長く、技術競争が激しい世界で、参入障壁が高いのが実態。大手企業数社が市場シェアを握っているのです。なかでも、ディスコの動きはほかの装置大手6社とは異なり、2022年から高値を記録しています。
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創業当初は製砥所だった

 株式会社ディスコは東京都大田区に本社を構える半導体製造装置メーカー企業で、1937年に創業。東京証券取引所第一部(現在はプライム市場)に1999年12月に上場しました。  2023年4月20日、ディスコは2022年度の通期決算を発表。売上高は2841億円で、前年度と比べ12%増、過去最高を記録しました。また営業利益は1104億円、営業利益率も38.9%と、いずれも過去最高です。

半導体が出来上がるまでのフロー図。ディスコはこの「後工程」の過程を事業として担っている

 ウェハーを切り分けることで半導体に利用できる/ディスコHPより[/caption] ディスコはこれまで、半導体の電子回路が形成されたシリコンウェハーとよばれる部分の切断に長けており、あらゆる半導体の小型化に対応ができます。どんな企業の要望にも答えることができる企業として有名で、その道で世界トップシェアを占めていますし、ディスコがなければ世界の半導体は高性能化が”終わる”とも一部では言われています。  ちなみにディスコの切る技術のすごさは、0.5mmのシャーペンの芯に846分割することができます。  半導体製造に持ちいる切断、研削、研磨に特化しているディスコ。その技術力の高さから、あらゆる半導体の製造に大きく貢献でき、なかでも注目を集めているパワー半導体製造メーカーにも装置を多く納入しています。  パワー半導体とは、モーターや照明の制御といった大きな電流を扱うことができるもので、家電製品などの電気器具に必要不可欠なものを指します。実際に、現在は電気自動車(EV)の需要が高まり、そこに必要なパワー半導体の需要が急増しています。これから省エネなどといった脱炭素化が進められていく中で、関連してパワー半導体の需要が高まっていくことは誰もが周知の事実です。パワー半導体はメイドインジャパンを誇れる日本の切り札の一つになる可能性を秘めているのです。  パワー半導体製造メーカーは顧客企業の幅も広く、スマホから飛行機、EVや送電所などありとあらゆる企業からの依頼が絶えません。メイドインジャパンを誇れる日本の切り札の一つになる可能性を秘めていますね。

ディスコの魅力②~設備や研究への投資意欲的を意欲的に行っている

 ディスコは、設備投資には余念がなく、2021年1月には長野事業所・茅野工場(長野県茅野市)に地上10階建ての新棟(B棟)を作りました。延べ床面積は既存棟の6.5倍にも上り、投資額は約175億円でした。
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長野県にある茅野工場

 広島県にある主力工場の生産能力を3倍に引き上げようとしており、広島県呉市で新工場を建設することを2023年3月に発表しました。新工場には、総額800億円が投資される見込みです。  また、拠点数も多く18の国と地域に50ヶ所超の営業拠点(=サポート拠点)を構えています。そのため、世界中のメーカーの研究開発や半導体の量産にむけた加工検証を行ってきており、研究実績も豊富だと言われています。  ディスコは2022年4月1日、研究開発(R&D)拠点「羽田R&Dセンター」(東京・大田)を開設しました。投資額は280億円にものぼります。2023年7月には、九州支店が隣接している熊本県上益城郡益城町で研究施設「中工程リサーチセンター」を開所しました。  このように設備や研究費への投資にも抜け目がなく、今後の成長していく根拠の一部と言えるのではないでしょうか。  ただ一方で投資が先行して売上高が追いついていないのではとの声もあり、売上高を効率的に生む仕組みの体制づくりが求められています。
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社員のモチベ維持で業界最高水準の収益性
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