更新日:2023年09月04日 18:41
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数年は需要が高止まり!? 半導体の注目銘柄「ディスコ」を大研究

ディスコの魅力③~人材育成にも積極的に投資

 そのなかで、ディスコは株主から「生産意識改革の成功例」として一目置かれています。2011年に社内通貨の「個人Will会計」を導入し、頑張った分だけインセンティブが出るよう仕組みを作りました。具体的には社内で仕事が発生したとき、やりたい人が挙手制で社内オークションサイトで応募、記入。  一つの仕事に発注されるWillのなかから、部材費や装置使用費などの経費が引かれ、残った分が自分の取り分となるのです。  1Willは1円の価値があり、Willの収支度合いによってボーナスへ反映されます。サラリーマンではありますが、一人一人にいかに経費を落として利益を産むかといったまるで個人事業主のような採算意識が芽生えます。
ディスコ

Will制度のイメージ図

 社員のモチベーション維持にもつながり、成果は業績にもつながります。2022年度の売上利益率は38.86%で、製造業の平均5%(経産省企業活動基本調査より)の7.7倍となり、高い収益性を実現しています。  また、2018年9月から賞与を年4回に増やし、2022年度は繁忙手当や2万円のベースアップするなど、モチベーション維持に勤めています。

日本政府が輸出規制。今後円高に振れれば懸念も

 ただ一方で、研究施設や人材育成などの投資から販売管理費も大きくなってしまっているのが現状で、これまで以上にコスパよく営業利益を出すことが求められるのも事実。    さらにスマートフォンやパソコンに使用される半導体シェアは長期的な見通しは明るいものの、2023年は年間を通して受町が落ちるとみています。理由はサプライチェーンの在庫調整が難航しているから。  また、半導体の需要の高まりから日本政府は半導体製造装置の輸出管理を厳格化しています。  ディスコの関家一馬社長は2023年5月、日経新聞の取材で「当社の製品群に実質的な影響はないだろう。半導体が特定の国で製造できなくなっても、別のエリアで作られるだろう。日本の製造装置・材料メーカーに大きな影響はない」と答えています。  ただ、海外工場は為替の影響を受けるため、不安定な基盤にもなりかねないのが現実です。また、売り上げの9割近くが海外向けで、ドル建ての取引が過半数を占めていますから、円高が進めば利益率が落ちることもあり得るでしょう。  これらの理由からディスコは今後、一度大幅に株価が落ちると考えています。とはいえ、そこがチャンス。株価が高いまま維持されており、買えなかった人も多いのでは。脱炭素化の流れもあり、5年以上の長期の目線で言えば、ディスコ株は超優良株。落ちたタイミングで大幅に買いですね。  ディスコ株を買って儲けるには、今後の為替の動き、半導体の需要予想の情報収集が必要不可欠となっていますが、私個人的にはここ数年は半導体需要の高止まりが続くため、狙い目株と言えるでしょう。 【今、無料会員になれば初月90%オフ!】⇒週刊SPA!のサブスク「MySPA!」9月スタート!無料会員登録はコチラ 【個人投資家・かっちゃん氏】 上場企業勤務の兼業投資家。リーマンショックで大損を経験するも2019年に億り人を達成。YouTubeやnoteなどで情報を発信
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