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「私ね、運がいいんです」麻生久美子が語る“この人と出会ったから、今ここにいる”3人の恩人

26年ぶりの再共演も会った瞬間から大丈夫!

麻生久美子――さて、本作はやはり父・辰雄と娘・春さんの、親子であり師匠と弟子でもあるふたりの関係がとてもステキな物語でした。 麻生:やっぱりお父さんにものすごく感謝していると思うんです。終盤に明かされる事実もありますが……。そして師匠としても尊敬している。仕事の部分と親子としての関係をちゃんと切り替えて演じられたらいいなと思いましたし、藤さんとの関係性、ふたりで作り出す空気感みたいなものが、この映画の中で一番大事だろうと思っていました。そこが一番不安でもあったんですけど。  藤さんとは26年ぶりの再共演ではありますが、今回の映画で初めてお会いさせていただいたその瞬間から「大丈夫だな」と思えました。なんて言うんでしょうね、藤さんって、すごく自然なんです。お芝居もそうですが、現場での居方も、すべてが。とても心地よくて。この感じでいけばうまくいくだろうと思えました。 ――関係性自体も最初から自然に育めたのですか? 麻生:もちろん最初は、私は緊張しました。だって藤さんですからね。お豆腐屋さんのシーンの待ち時間が一番長かったので、いろいろお話しました。私があまり芝居のことを話すタイプではないので、何気ない日常会話をいろいろ交わさせていただいて、ちょっとずつ信頼関係も出来上がっていきました。だから後半は無理に話をしなくてもいい感じでしたし、一緒にいるのが自然みたいな感じまでいけたかなと。役を通して関係性も変われたと思います。

先輩風を吹かせたいけれど…

高野豆腐店の春

(C) 2023『高野豆腐店の春』製作委員会

――麻生さん自身も、キャリアを重ねて先輩としての立場になることも多いと思います。 麻生:ねえ……。私、先輩感ないんですよ(苦笑)。まだ何かを教えられるようなこともないし。なんでしょう。役者って難しくて。年を重ねたからっていい芝居ができるとか、そういうことだけでもないし。だから人に対して何かを偉そうに言えることってひとつもなくて。まだまだ向いてないなってず~っと思っているので。先輩風を吹かせたいんですけど、無理なんです。 ――でも相談されることもありますよね。 麻生:内容によっては答えられることもありますよ。現場での経験が多いのは間違いないですし、芝居のこと以外の悩みなら答えられますから。
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アイドルは無理。今の道はありがたい
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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映画『高野豆腐店の春』は全国公開中
(C) 2023『高野豆腐店の春』製作委員会

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