更新日:2023年08月24日 12:48
スポーツ

「八村塁がいなくても勝てるの?」難題に挑むバスケ日本代表

今回のワールドカップに臨む12人

 これまで長年にわたり代表の主力だった選手でも、3ポイントシュートが打てなければ、あるいは走り勝つスタイルについていけなければチームに招集されなくなった。ホーバスHCは自分のバスケに合う選手をBリーグで見つけると、すぐに代表へ呼んだ。  Bリーグでは高さとフィジカル、個人能力に優れた外国籍選手がエースを務めるチームが多く、それとは異なるホーバスHCのスタイルに合うかどうかは実際に試してみなければわからない。多くの選手が代表合宿を経験し、試合でプレーして、熾烈な代表争いに加わっていった。そんな2年間を経てサバイバルレースに生き残ったのが、今回のワールドカップに臨む12人だ。 PG:富樫勇樹 (千葉ジェッツ) PG:河村勇輝 (横浜ビー・コルセアーズ) SG:比江島慎 (宇都宮ブレックス) SF:渡邊雄太 (フェニックス・サンズ[NBA]) SG:馬場雄大 (無所属) SG:西田優大 (シーホース三河) C/PF:ジョシュ・ホーキンソン (サンロッカーズ渋谷) SG:富永啓生 (ネブラスカ大学) SF:原修太 (千葉ジェッツ) PF:井上宗一郎 (越谷アルファーズ) SF:吉井裕鷹 (アルバルク東京) C:川真田紘也 (滋賀レイクス)

八村塁の持ち味は現チームにフィットしない?

バスケ ワールドカップ

ロサンゼルス・レイカーズで活躍する八村塁は今大会の不参加を表明した ©FIBA.com

 NBAの舞台で活躍する八村塁は、今回のワールドカップへの参加を見送った。他国のNBAプレーヤーもその多くが、高額年俸を払う所属クラブへの配慮から、夏の代表活動を回避してNBAのシーズンに備えており、八村塁の選択は驚きではない。  八村塁の不在は日本代表にとって大きな戦力ダウンではあるが、ホーバスHCの標榜するバスケに八村塁がフィットするかと言えば、むしろそうではない。ハイテンポなバスケもできるし、3ポイントシュートも打てるが、彼の持ち味は身体の強さ、運動能力を生かした力強いプレーにあり、ホーバスの軽快なバスケとは異なる。  それでも個人能力で突出しているがために、八村塁がいれば周囲は合わせてしまう。もうひとりのNBAプレーヤーである渡邊雄太は、3ポイントシュートとディフェンスを武器とする『3&D』タイプのプレーヤーで、ホーバスHCのバスケに難なくフィットする。だが、八村塁がいればその個性をチームバスケにどう組み合わせるかの問題が発生する。
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八村塁がいなくてもチャンスはある
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フリーランスのスポーツコンテンツエディター。Bリーグ創設の2016年に立ち上がった日本最大級のバスケットボール専門メディアの専属ライターおよび編集者として取材を行い、Bリーグ、Wリーグ、日本代表、高校バスケや大学バスケなど幅広くバスケットボールを取材。今もバスケを中心に多くのスポーツコンテンツ制作を手掛ける
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