バスケW杯がついに開幕。覚えておきたい「日本代表の注目選手3名」
バスケットボールのワールドカップが8月25日に開幕する。日本は1次リーグでドイツ、フィンランド、オーストラリアと対戦。まずは、17年ぶりとなるワールドカップでの1勝を目指す。そして、2次リーグへの進出を果たしたい。そのためにキーマンとなる選手は誰なのか――。第1戦となるドイツ戦は25日(金)21:10から始まるが、日本には注目すべきキープレーヤーが3人いる。
日本代表で唯一のNBAプレーヤーとなるのが渡邊雄太だ。NBAで5年間のプレー経験を持つが、真に飛躍を果たしたのは昨シーズンだった。それまでの4年間は良いプレーを見せていてもチーム内競争に勝てずにプレータイムを得られなかったり、調子を上げてきたと思えば負傷したりと苦戦続きな日々を過ごしていた。そのような不安定な立場にいながら、不屈の闘志で成長を続けてきたのだ。
成果として現れたのが昨シーズンで、フットワークの良さを生かしたディフェンスと、お膳立てされたチャンスを高確率で決める3ポイントシュートで、ユーティリティープレーヤーとしての地位を確立。今オフには、早々にフェニックス・サンズとの契約を勝ち取った。
日本代表での渡邊は、攻守いずれにおいても明らかにチームのトッププレーヤーで、相手のエースを抑え、オフェンスでも核となる。NBAでは周囲にお膳立てしてもらったチャンスを決める役回りだったが、日本代表ではエースとしてオフェンスが機能していない時間帯に強引なプレーでチャンスを作り出し、流れを呼び込む働きが求められる。
ただ、それ以上に彼に求められるのはリーダーシップであり、折れない心をチーム全員に浸透させることだ。身長206cmと体格に恵まれたとはいえ、アメリカの大学でもNBAでも彼はエリートだったわけではない。常に自分よりレベルの高い相手に囲まれ、それでもあきらめることなく挑戦を続けて、今の地位まで這い上がってきたのだ。
どんな状況に置かれても腐ることなく、自分にできることを100%の力で続けながら課題を克服して、自身ができることを増やしていく。渡邊のバスケに取り組む姿勢が全員に伝われば、日本代表はチームとして一回り大きく成長できるだろう。
世界の強豪を相手にして接戦に持ち込み、最後に勝利へ結びつけるためには強い精神力が必要。渡邊が一人で引っ張るのではなく、全員が彼のような闘志と責任感を持つチームになれるかどうかが、今回のワールドカップにおける成否を分ける。
NBAで飛躍を果たした渡邊雄太
エースに求められる「リーダーシップ」
フリーランスのスポーツコンテンツエディター。Bリーグ創設の2016年に立ち上がった日本最大級のバスケットボール専門メディアの専属ライターおよび編集者として取材を行い、Bリーグ、Wリーグ、日本代表、高校バスケや大学バスケなど幅広くバスケットボールを取材。今もバスケを中心に多くのスポーツコンテンツ制作を手掛ける
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