“目標達成”のバスケ日本代表。「平均失点85.2」のチームが3勝できた理由
「バスケ、見た?」
日本全国津々浦々で、そんな言葉が交わされているに違いない。
バスケットボール日本代表は、沖縄で行われたワールドカップで3勝2敗の結果で、アジア1位となって来年に行われるパリオリンピックの出場権を手に入れた。これからフィリピンのマニラで始まる決勝トーナメントに進むことはできなかったが、堂々の“目標達成”である。
ヘッドコーチのトム・ホーバスは、世界と戦う上で高さとフィジカルの差を埋めるために3ポイントシュート主体のバスケを志向する。しかし、「シュートは水物」という言葉があるように、3ポイントシュートは面白いように決まる日もあれば、全く当たりが来ない日もある。チームとして大会を勝ち抜く上では、シュートが入らない日に勝つためのもうひとつの武器が必要だ。
女子日本代表が東京オリンピックで銀メダル獲得の快挙を成し遂げたときには、粘り強いチームディフェンスがあった。しぶとく耐えて耐えて3ポイントシュートの爆発を待つ、日本の女子バスケならではの精神的な強さを生かしたスタイルだった。
今回のワールドカップに臨んだ男子日本代表に、そのディフェンスでの粘り強さはなかった。インサイドの渡邊雄太とジョシュ・ホーキンソンはほぼフル出場で攻守にフル回転したが、チームとして守れていたわけではない。5試合で平均失点85.2という数字は、決して褒められないものだ。
それでも5試合で3勝を挙げられたのは、ハイペースなオフェンス合戦に持ち込んで打ち勝ったからだ。ただし、3ポイントシュート成功率は31.3%と、理想である40%どころかノルマである35%にも届いていない。
日本は「勝つための武器」がもうひとつ必要
5試合で「平均失点85.2」は…
フリーランスのスポーツコンテンツエディター。Bリーグ創設の2016年に立ち上がった日本最大級のバスケットボール専門メディアの専属ライターおよび編集者として取材を行い、Bリーグ、Wリーグ、日本代表、高校バスケや大学バスケなど幅広くバスケットボールを取材。今もバスケを中心に多くのスポーツコンテンツ制作を手掛ける
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