ライフ

残念な肉の焼き方では「もったいない」人気焼肉食べ放題店の“焼肉ポリス”が警告

ホルモンは弱火、赤っぽい肉は強火

ホルモン

※写真はイメージです。以下同(Photo by Adobe Stock)

 極力火力を落とさない方が肉は美味しくなるため、火が燃え上がっても慌てない。  ただ、弱火で焼いた方が美味しくなる肉もあるという。 「ホルモンは強火で焼くと、中まで火が通る前に周りが焦げちゃうので、弱火でじっくりと焼きましょう。強火がおすすめなのは赤っぽい肉、と覚えておくといいですね。赤身の肉は強火で一気に焼き色をつけると良いと思います」  基本的に「焼肉は強火で」と教えてもらったが、当然、焼き加減には限度がある。火を通しすぎると肉から水分が抜けてしまい、パサパサになってしまうからだ。 「あまり油がついていない、赤身を楽しむためのお肉は特に注意が必要です。牛脂は冷蔵庫にあるときはカチカチに固いけれどフライパンで熱すると溶けるように、油は火を通せば柔らかくなりますよね。でも赤身の肉は基本的に火を通せば通すほど縮み、肉汁と水分を出してしまって柔らかさが失われていきます」  逆に肩のバラ肉のようにコラーゲンを多く含む肉、脂身の多い肉は熱をしっかり通すことによって柔らかくなるのだそう。

肉をまとめて大量に焼くのは残念…

網の上で肉を焼く ここからは、意外とやりがちだが、残念な行動。大人数で焼肉店に行くと、一気に焼いてしまおうとお皿から網へザーッと乗せてしまうこともあるが……。 「一度にたくさんのお肉を網に乗せてしまうと、一気に焼きあがっちゃいますよね。すると、すべてのお肉を食べるまでに時間がかかってしまいます。焼きたてを食べるのが焼肉の醍醐味なので、少しもったいないと思います」  焼きあがった肉を皿の上に置いて“キープ”状態にしておくだろうが、これでは肉が冷えてしまうという。 「せっかく溶けてとろっとした油が、冷えるとかたく戻っちゃうんです。焼く際にはタンのようにサッと焼いて食べる系のお肉と、カルビのようにじっくり焼いて食べる系のお肉を、人数×1~2枚ずつくらい焼いていくのがちょうどいいと思います。  網の真ん中にはサッと焼く系、外側には時間がかかるじっくり焼いて食べる系のお肉を置く。焼けたら1枚ずつお皿に乗せて食べるのを繰り返すのがベストです」    とはいえ、焼肉きんぐのような「食べ放題」の店では、一度に大量の肉を焼いた状態で会話に夢中になっている客も多いのでは……?  そういう時は「焼肉ポリス」としてどのように対応するのか。 「お話を楽しんでる時間はかけがえないものだと思いますので、お客様の焼き方を否定することはありません。ポリスとしては、“めっちゃ焦げてるな”という場合は“食べどき”を伝えます。『真ん中だけそろそろよさそうですよ~』『周りのお肉を寄せちゃうと早く焼けますよ~』みたいな感じで、お客様の焼き方で最も美味しいタイミングを逃さないように声をかけてますね」  焼肉の楽しみ方も美味しいと感じる焼き加減も人それぞれだが、肉の特徴に合った焼き方を知っているだけで「美味しい」と感じる確率は上がるかもしれない。 <取材・文・撮影/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ