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玉城ティナが奇妙なインフルエンサー役に。昨今のSNSの風潮に思うことは?

すべてを鵜呑みにしない、視野が狭くならないことが大切

玉城ティナ――個人的にネットミーム(※インパクトのある画像や言葉が一人歩きしてネットの世界で半永久的に流布・拡散し続けること、またそれらの画像や言葉を指す)についてはどう思いますか? 私もネットの情報はけっこう見ますけど、気軽に見れる分、意外と覚えてないんですよね(笑)。 ――不倫や不祥事など「バッシングしてもいい」となった相手に大勢で一気に群がる昨今のSNSの風潮についてはいかがですか。 うまく言えませんが、人間のあり方みたいなものは10年前とほとんど変わってないと思うんです。いわゆる「成敗してやるアカウント」みたいな立場の人たちも、何かメリットがあってやってるでしょうし、その人の裏にも誰かがいるかもしれないし。 その上で、すべてを鵜呑みにしない、視野が狭くならないということが大切だし、毎日ネットリテラシーを学んでいく必要があると思いますけど、一方でネットを楽しんでいる自分がいるのも事実なので。 結局、寄せては返す波のようにではないですけど、みんなすぐ忘れてしまいますよね。そういうことの繰り返しじゃないかなと。 ――街でいきなり名指しで呼ばれたり、追いかけられたりなど、本作で描かれているようなエピソードを玉城さんも実際に経験したことはありますか。 映画やドラマ、ラジオなど、いろいろな媒体さんにださせていただいていると、見ている人が違うなっていう実感はあります。 ある日、町中華に行ったとき、その店のお母さんが「ラジオ聴いてるよ」って声をかけてくれたんです。声と顔がすぐ一致するのがすごいなって驚いたけど、嬉しかったです。 ファッション誌のモデルをやっていた頃は、私のファンは10代の方だけだと思われていた人も多いと思いますが、さまざまな活動をすることで世代関係なくたくさんの人の目に触れるというありがたさがある一方で、どこで誰が見ているかわからない、という危機感もありますよね。 ――ずばり、玉城さんはネットの世界に「真実」は存在すると思いますか? 急に深い話になりましたね(笑)。あるんじゃないですか。ネットより○○のほうが高尚だ、みたいなわけでもなくなってきたし、それが「真実」だと思えば真実だと思います。文章なのか写真なのか、何を見てそう思うのかはわかりませんが、それが自分のために存在すると思えばそれが真実でしょうし、そこにもはやネットであるとか、小説であるとか、映画であるとかは関係なくなってきているのかなと。 でも、SNSの私の発言だけ切り取って記憶してほしくないから、もし本を出したら買って欲しいですね(笑)。ただ、最初の入り口として、SNSがあることでいろいろな人に私を知ってもらえる機会も増えるし、そこはもう付き合っていくしかないかなって思います。
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「インドアの女王」、少しずつ外へ
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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