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「野生のラッコに会いたい」北海道に殺到する迷惑観光客…“常識外れの行動”が問題に

一度絶滅に瀕したラッコ。現在は分布を広げている

[日本からラッコ絶滅]の危機を救え!

写真提供/NPO法人エトピリカ基金・片岡義廣理事長

 その後も岬の北側沿岸の数か所で、計4頭のラッコを目撃。どのラッコも気持ち良さそうに海面を漂っていた。 「霧多布のラッコは3亜種いるうちのチシマラッコ(アジアラッコ)で、現在は母子4組、若いメス4頭、オス2頭の計14頭が確認されています」  そう教えてくれたのは、岬で日々ラッコを観察・記録しているNPO法人エトピリカ基金の片岡義廣理事長。ラッコが定着したのは’16年の秋だ。
[日本からラッコ絶滅]の危機を救え!

NPO法人エトピリカ基金の理事長を務める片岡さん。もともとは絶滅危惧の海鳥エトピリカを観察するために浜中町へ移住

「約10年前、北方領土の歯舞群島にラッコが500頭近く生息していると聞きました。一度絶滅に瀕したラッコですが、数が増えた結果、分布を広げたのだと考えられます」

ラッコ目当ての「迷惑観光客」

[日本からラッコ絶滅]の危機を救え!

片岡さんが撮影した、霧多布岬に定住するラッコたち。「崖の下を休息場所にしているようです」。岬は霧に覆われる日も多く、見られるかどうかは運次第

 道東の太平洋沿岸を中心にラッコが増えていることは、研究者や水族館関係者の間でも注目の的となっている。ただ問題があり、ラッコ目当てで訪れる観光客の中には迷惑行為に及ぶ者がいるという。 「つい先日もここでドローンを飛ばした人がいて、それに驚いたラッコたちがいなくなってしまいました。日がたって徐々に戻ってきていますが、また同じようなことが起こるのではないかと心配です」
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迷惑観光客に苦しむ人々の声「最低限のマナーを守ってほしい」
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