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「野生のラッコに会いたい」北海道に殺到する迷惑観光客…“常識外れの行動”が問題に

「柵を乗り越えてラッコを見ようとする人もいる」

[日本からラッコ絶滅]の危機を救え!

’23年5月にお披露目となった浜中町のゆるキャラ「きりたん」。隣は霧多布岬の迷惑行為防止を呼びかける看板

 観光客が増え始めた’22年、片岡さんは浜中町と協議し、迷惑行為をしないよう呼びかける看板を設置した。 「遊歩道から柵を乗り越えてラッコを見ようとする人もいます。危険だし、エゾカンゾウなど貴重な植物を踏み荒らすことにも繋がってしまう。自然を壊さないよう最低限のマナーを守ってほしい」

もう一つの問題点「漁業関係者との対立」

 もう一つ問題視されているのが漁業関係者との対立だ。ウニや貝類などを好んで食べるラッコは、漁業を営む人たちにとっては“害獣”なのだ。
[日本からラッコ絶滅]の危機を救え!

NPO法人エトピリカ基金の理事長を務める片岡さん

「一部の漁業関係者から反感を買っているのは事実です。現時点では水揚げ量に影響が出ていませんが、ラッコの数が増えていくと今後の大きな課題になってくると思います」  日本の水族館からラッコが消えつつある一方で、霧多布岬にラッコが定住しているのはファンにとって一縷の望みであろう。  片岡さんが「見守り、記録し続けること。それが私にできる唯一のことです」と語るように、我々もラッコの現状を注視していきたい。 取材・文/橋本範子 吉岡 俊 高石智一
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