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“快挙を成し遂げた”バスケ日本代表。エース対決は完敗も「ゾーンに入った」22歳が勝利に導く

オーストラリア戦は2次ラウンド進出を懸けた直接対決

 欲しかった欲しかった「世界での1勝」。試合後、取材陣の前に現れた馬場雄大は号泣していた。渡邊雄太も笑顔ではあったが、その目には涙が光っていた。富永や河村が若さと勢いで世界の壁を乗り越えた一方で、長く日本代表でプレーしてきた選手には、特別な感慨があったのだろう。  とにもかくにも、日本代表は国際大会での1勝を手に入れた。  ヘッドコーチのトム・ホーバスは「このチームは若くて、試合を重ねるごとに成長します」と語る。そういう意味では、ただ経験を積むだけでなく結果を出したことで、自信は飛躍的に高まるはずだ。  日本代表は8月29日に1次リーグ最後の試合でオーストラリアと対戦する。  そのオーストラリアは27日、日本が歴史的な勝利を挙げる前にドイツと対戦。接戦を落とす形で敗れた。最後は3点差で、司令塔のジョシュ・ギディーが相手の接触を受けたが判定はノーファウル。ここでフリースロー3本を得て、すべてを決めていれば延長に持ち込めていただけに、試合後の選手たちは悔しさを通り越して荒れていた。  日本がドイツ戦の悔しさを次の試合で良いパフォーマンスへの原動力としたのと同じことを、オーストラリアもしてくるはずだ。ドイツが2勝で2次リーグ進出を決め、もう1チームは日本vsオーストラリアの勝者となる。ここで勝てば2次リーグ進出とともに、来年のパリオリンピックの出場権もほぼ手中に収められるはず。是非とももう1試合、奇跡を起こしてほしいところだ。 <TEXT/章本梨央>
フリーランスのスポーツコンテンツエディター。Bリーグ創設の2016年に立ち上がった日本最大級のバスケットボール専門メディアの専属ライターおよび編集者として取材を行い、Bリーグ、Wリーグ、日本代表、高校バスケや大学バスケなど幅広くバスケットボールを取材。今もバスケを中心に多くのスポーツコンテンツ制作を手掛ける
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