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大学受験、ペーパーテストではなく選抜入試をあえて選んだ理由「日本の詰め込み学習に違和感」

志願理由書のレポートに何を書く?

勉強

写真はイメージ

 とはいえ、ここまでは前提条件にすぎません。選抜型入試では、志望理由書と呼ばれる「なぜ自分がその大学を目指しているのか」をまとめたレポートを提出することが一般に義務付けられています。彼は、どのようなことを書いたのでしょうか。 「志望理由書を書くのは本当に大変でした。ICUは特殊な学校で、3つのことを書かなくてはいけないんです。志望理由、学びたいこと、そして『ICUが志望者を入学させることに対するメリット』です。私が入学することによって、ICUはどのような利益を得る可能性があるのかについて、多角的に検討し、根拠をもって論ずる必要があるのです」  大学側に自分を入学させるメリットについて伝えなければいけないという大変さ、高校生にはとんでもない負担となるでしょう。渡辺さんの場合は、英語ディベート部での活動で培った伝達力や情報収集能力を部内で共有してきたという経験を活かし、大学に入学してからも同級生に様々な情報を発信して助け合って学んでいきたい、という内容を書かれたそうです。

非認知能力が求められる理由

 渡辺さん曰く、願書を書くうえで大事なことは「将来の目標」と「経験を語る」ことの2つなのだと言います。審査している人にとって面白いと思わせられるような目標を書かなければ審査員の目を引きません。また、経験を語ることも意外と難しいのだそうです。なぜならば、ただ「○○を経験しました」だけでは、ただ体験しただけの人になってしまうからです。その経験から、何を考えて何を反省したのかを書かなければ、意味がないのだと言います。  最後に、渡部さんから推薦入試に対する熱い思いを伺いました。 「私は、これからの入試は、徐々に選抜型入試へシフトしていくべきと思っています。確かに、一般入試のように点数で評価されることも、努力すれば入れる証明にもなります。ですが、それが本当に社会で求められる能力と相関があるかは分かりません。点数が高くても、社会で役に立てなければ、それは何の意味があるのでしょうか。私は、そのような能力よりも、むしろ非認知能力(点数で測れない能力、思いやりなど)が求められるのではないかと思っています。若いうちからそれらの能力を育むためには、選抜型入試がぴったりだと考えています」  選抜型入試を世に広めるべく尽力している彼の活動が、実り多いものになることを祈ります。 【詳しくはこちら】⇒「東大生インタビュー クラウドセンバツ副塾長 渡辺貴紀に聞く!国際的な活動への思い」はこちらへ
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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