スポーツ

サッカーW杯で“恥をかかせた”ドイツとの再戦…日本が目指すべき戦い方を考える

ワールドカップと同じく、3バックで戦うのか?

 実際にどういった試合内容になれば、成長の証となるのだろうか? 森保一監督は、今回のメンバー発表記者会見時に言及している。 「我々がボールを握りたいというところを挙げていきたいと思いますが、我々は完全に支配して戦えるということにはならないと思います。ワールドカップでも良い守備から良い攻撃へというところで、粘り強く戦ったうえで最後に試合をものにできました。我々の強みであったり、その試合でよかったことを忘れずにやりながらも、攻撃のパーセンテージを、そしてチャンスの回数を増やしていけるように、ベースづくりと少しずつ積み上げていくということをしっかり考えていきながらチャレンジしたいなと思います」  ボールのポゼッション率を上げられることを目指して戦うことを示唆しつつも、思い通りになるほど相手は弱くないことを強調。  また、ワールドカップで対戦したときのように3バックのシステムを採用する可能性もあることをコメントしている。 「今回も状況によって4バックであったり3バックであったり、局面としてはマンマークのようなことも考えていきたいと思います。今はその選択肢を持っているということで、何をどう試すかということはまた選手が集まってから決めたいと思います」

「ポゼッション率」が成長を図る指針に?

 ワールドカップ時は3バックのシステムが的中したこともあるが、それよりも試合中にシステムをがらりと変えたことが効果的であって、ある意味で奇襲に成功した結果といえる。奇襲攻撃は繰り返せば繰り返すほど効果は薄まるわけで、ワールドカップでは1回限りの効能を最も効果的に使って勝利を収めたかたちだ。  今回の試合で成長を推し測るには、やはりなす術がなかったワールドカップでの試合前半が基準になる。  森保監督もボールポゼッション率を上げて、攻撃回数を増やすことを目標に掲げたように、ボールポゼッション率は成長を推し測るひとつの指針となる。  前回の試合でのボールポゼッション率は、ドイツが65%で日本が24%、どちらともいえない中立の状態が11%となっている。前回対戦の前半を基準と考えれば、その値はドイツ72%、日本18%、中立10%が基準になる。極論ではあるが、日本のポゼッション率が20%を超えることを最低ラインとし、30%以上になれば成長しているといえる。
次のページ
前回の試合よりも「シュート数」を増やしたい
1
2
3
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ