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受験勉強せずに早大に現役合格。“勉強の代わりに”熱中したものとは

大学の自由な雰囲気に感動して

 コンテストでは、特に、首都圏の学校に通う国際志向の学生と出会いました。彼らと学校の話をすると、驚きの言葉が返ってきました。みんな、推薦入試で大学に入ろうとしていたのです。  推薦入試に詳しくなかった彼のイメージは「推薦入試=優秀な人がうけるもの」でした。しかし、出会った学生は、自分と同じ等身大の子どもたち。「自分でも、受かるかもしれない」と思い始めました。 「高校2年生の夏に、早稲田大学のオープンキャンパスに行ったんです。高校生活では勉強ばかり強制されて、夏休みも勉強合宿に強制参加させられて、お世辞にも自由な生活を送っているとは言えませんでした。早稲田大学の自由な雰囲気と、勉強以外の経験も尊重してくれる姿勢に、深く感動したんです」  早稲田大学の社会科学部は、各都道府県から1人ずつ合格者がでる特殊な推薦入試を行っています。これなら勝てるかもしれない。帰国子女でもある相佐さんは、その経験を活かし、入試への挑戦を決意しました。  推薦入試の利点は、学力で足りていなくても、勝負の舞台に上がることができる点です。一般入試とは異なり、アドミッションポリシーと呼ばれる「理想の学生像」に沿って、審査されます。求められる能力が異なるため、適性があれば、誰でも合格できる点が、推薦入試の魅力であると相佐さんは語ります。  彼の推薦入試対策もアドミッションポリシーから始まりました。パンフレットを100回以上読み返し、自分の入りたい学部が、どのような学生を求めているかを徹底的に確認したそうです。

これからの入試の本流は推薦入試に

 そして、抽出、分析した理想の学生像を自分に当てはめてアピールポイントを探しました。国際性を求められれば、英語が堪能である点を、学際性(様々な分野を学ぶ意欲があるか)を問われれば、スピーチコンテストで分野横断的に調べた経験を挙げました。  彼曰く、推薦入試で合格する秘訣は、誰よりも学校を知ること。相手の求める人物像を満たせば、合格の可能性があるのだから、どんな人物を求めているのか入念に調査することが大事なのだそうです。  また、様々な経験を積むことも重要だと言います。現在相佐さんが会社で行っている事業も、高校生に幅広い経験を積んでもらうことが目的。現役プロライターとネット記事を作ったり、現役プロサッカー選手にインタビューをしたりと、経験を通して、勉強の意義を知ってもらうことが趣旨なのだそうです。  これからの入試の本流である推薦入試。現状では、都会に暮らしている人や、一部受験情報に詳しい人しか使っていません。「推薦入試組は一般入試組に劣る」と、嫉妬交じりの白い目で見られることもあります。  ですが、大学の思惑は徐々に推薦入試偏重へと傾いています。いつまでも一般入試、学力至上主義に甘えず、受験者側も柔軟に変化することが求められているのかもしれません。 【詳しくはこちら】⇒「クラウドEnglish塾長・相佐優斗に聞く『現在の活動の源は?』」はこちらへ <文/布施川天馬>
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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