更新日:2023年10月22日 10:08
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“174㎝53kg”モデル体型で男子レスラーと戦っていた赤井沙希。「引退するギリギリまで強くなりたい」理由

所属選手を「最初から異性として見ていない」

赤井沙希――赤井選手はDDTプロレスの所属選手の中、紅一点です。女子レスラーが時々参戦しますが、所属してレギュラーでがっちりと試合に出ている女子選手は他にいません。その点は気になりませんでしたか? 赤井:DDTが男子レスラーばかりだということに途中まで気づかなくて(笑)。もちろん女子プロレスの存在は分かっていたけど、DDTが好きでプロレスにハマって入団したので…… 。 「そういえばこの人たちみんな男子なんだ」って後々気づきました(苦笑)。 それに申し訳ないけど、DDT所属選手を最初から異性として見ていないです(笑)。強い、細い、でかい、小さい、飛ぶ、殴るとか、キャラクターとしてDDTレスラーを見ています。とはいえ、着替えとか異性としての線引きはちゃんと自分の中でマナーとして気を付けています。 私が女子であるのも一つのキャラクターであり、選手としての個性なので、特別女子扱いや姫みたいに見られたくない。みんなと同じようにリング設営もやっていました。 ――デビュー当時から変わらない体型も赤井選手の個性だと思います。通常、レスラーはダメージを受けにくくするために贅肉を増やしたり、頑丈な体を作りますが、赤井選手はなぜそのような体格改造をしなかったのですか? 赤井:私は「プロレスラーだから体格を大きくしなくちゃいけない」という考えには抵抗がありました。私がその考え方に寄せたら、ただのプロレスラーが1人生まれるだけ。174㎝53kgの体型でやるからこそ、見ているファンの方々に違和感や引っかかりになるのかなと。 この背丈で「もっと体重を増やしたらいいのに」って周りに言われるけど、そこは考えてなかったし、むしろ体型管理に気をつけています。

「背が高くて手足が長い」ことこそが武器

――ある意味、最初にイメージした「赤井沙希」というレスラー像を、ずっと維持した10年間だったのですね。 赤井:私という人間を、父が赤井英和とかタレントとか全部抜きにしてフラットに考えた時、何が個性かを考えたんです。背が高くて手足が長いことが武器かなって。身長高くて手足が長いレスラーが大きく飛んだりして跳ねたら、お客さんが写真撮りやすいかなとか、個性を生かしてお客さんの喜ぶことを考えました。 最初はリング上で緊張し過ぎてお客さんの声援も全く耳に入ってこなくて。「試合時間5分経過」のリングアナウンサーの声も全然聞こえない。 ――それほど試合に集中しているということですね。デビュー戦の内容は覚えていますか? 赤井:緊張で全く覚えてないですね。試合が終わって世Ⅳ虎(現・世志琥)さんがつっかかってきてメンチ切ってる時に、「人とこんな顔近づけたのって初めて」と。 絶対負けられないって思ったのと同時に、「これじゃ私の顔が見えない」って、ちょっとずらしました(笑)。そこからは覚えています。
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大会場でしか試合を組まれず、ふてくされていた時期が
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22歳でラジオDJデビュー。その後、ナレーターとしてニュース番組を担当。またスポーツ実況を担当し選手個人に興味を抱きスポーツライターとして活動を開始。その他、司会やアニメーター等、様々な活動を続けている
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11月12日両国国技館で赤井沙希選手の引退試合が開催。同門イラプションのメンバー坂口征夫&岡谷英樹とタッグを結成。元イラプションの樋口和貞、同期で東京女子プロレスの山下実優、そして“方舟の天才”プロレスリング・ノアの丸藤正道と対戦する。

詳しくはDDTプロレスリングのWEBサイトをご覧ください。
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