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英国風パブ「HUB」が“いつも混んでいる”3つの理由。従来の居酒屋にはないウリとは

本場の雰囲気を気軽に楽しめる場所として定着

地方の店舗数は少ないものの、同社は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の首都圏4県で80店舗を展開しています。。個人的な感想ですが、いつどこの店に行っても賑やかで繁盛している印象です。HUBが定着した理由として(1)気軽に安く飲めること、(2)雰囲気の良さ、(3)スポーツバーとして機能、以上3点が考えられます。 (1)に関して言えば、HUBのドリンク類は大衆酒場と比べて決して安くはないものの、お通しがない点や食事をメインとしていない点が安さの秘訣となっています。通常の居酒屋で食事も頼まず1、2杯だけで済ますのは憚られますが、パブであるHUBでは気にすることもないでしょう。2013年当時は「1000円札1枚でいい気分」をHUBのコンセプトにしていたようです。 (2)については他店にはない英国パブの雰囲気が消費者を惹きつけていると考えられます。最近ではパブ風の店も増えてきましたが、チェーンとして展開しているのはHUBしかありません。 (3)に関しては、Jリーグの試合やスポーツの国際試合がある日にHUBを訪れると分かるかと思います。特に人気の試合がある日は店内のディスプレイに中継試合が映され、多くのスポーツファンが店に押し寄せます。以上のように、従来の居酒屋にはない気軽さとスポーツバーとしての機能がHUBの人気の理由と言えます。

コロナ禍で4分の1に落ち込むも…

近年の業績ですが、やはりコロナ禍のため業績は大幅に悪化し、2022年2月期は売上高が4分の1にまで減少しました。2020/2期から2023/2期までの業績は次の通りです。 【株式会社ハブ(2020/2期~2023/2期)】 売上高:121億円→38億円→24億円→76億円 営業利益:7.1億円→▲15.7億円→▲11.9億円→▲5.4億円 店舗数:114→109→102→101 とはいえ、もともと自己資本比率は70%と財務が健全だったほか助成金収入もあり、店舗数は他の居酒屋チェーンのように大幅には減少しませんでした。現在では持ち直しつつあります。
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MIXIとのコラボで200店舗体制を目指す
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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