お金

「イクイノックスVSドウデュース」は名勝負の予感!過去の激闘のライバル対決3選

激闘を繰り広げた「ブエナビスタVSレッドディザイア」

 名牝ビワハイジの仔で、アドマイヤジャパンアドマイヤオーラを兄に持つブエナビスタ。その血統背景から注目を集めていた同馬ですが、アンライバルド(皐月賞1着)、リーチザクラウン(日本ダービー2着)、スリーロールス(菊花賞1着)らが揃っていて、後に「伝説の新馬戦」と称されるデビュー戦で3着していたことも人気に拍車をかけました。ブエナビスタ自身も阪神JFを制し、今年のリバティアイランドのように「この馬の牝馬三冠は堅い!」という雰囲気が漂っていたのを覚えています。  ただ、そんななか現れたのがレッドディザイアでした。新馬、エルフェンSを連勝して挑んだ桜花賞は2番人気に支持されるも1.2倍のブエナビスタに対して14.4倍と差がありました。しかしレースでは「もしかしてレッドディザイアが勝つんじゃないか?」という展開。最後にブエナビスタが差し切ったものの、その差はわずか半馬身。オッズほどの実力差はないという事を印象付けました。  そしてオークスではブエナビスタが変わらず1.6倍の支持を集めますが、レッドディザイアも桜花賞より差を詰めて6.0倍でした。馬群の内目から完璧な競馬で捌いてきたレッドディザイアに対し、ブエナビスタは後方でやや進路も狭くなり大外へ持ち出す形に。これはレッドディザイアが勝ったか? と思ったところ、ブエナビスタがまさにゲームのような末脚でハナ差だけ差し切り。2戦続けて接戦をものにして二冠を達成しました。

秋華賞はまさかの結末

 迎えた牝馬三冠最終戦の秋華賞。両者のオッズはブエナビスタが1.8倍でレッドディザイアが3.2倍とその差はさらに詰まり、3番人気以下を離す完全に2強ムード。ヴィーヴァヴォドカワイドサファイアの2頭が離した逃げで、レッドディザイアは中団から。そしてさらに後ろにブエナビスタといういつもの形。京都競馬場の内回りという事もあり早めに仕掛けるレッドディザイアに対し、ブエナビスタはコーナーでの加速が遅く、4コーナーではまだ10番手の位置取りに。これまで通りブエナビスタが直線で猛追しますが、直線が短く今回はレッドディザイアを抜かせず三冠を阻止する待望のG1制覇を成し遂げました。  ちなみに、筆者は札幌記念のブエナビスタのレース振りから内回りは苦手と判断し、レッドディザイアが逆転するなら秋華賞しかないと予想して3連単のレッドディザイア1着固定→ブエナビスタ2着固定を選択。まさに読み通りの結果だったのですが、まさかの降着で3着に……。この時のハズレは今でも覚えています。両者のライバル対決はブエナビスタの2勝1敗となりましたがいずれも接戦。生まれた時代が違えばどちらも三冠馬になり得たのになと思いつつ、同じ時代に生まれたからこその名勝負でもあり、競馬のドラマを感じさせました。
次のページ
直接対決は全くの五分「コパノリッキーVSホッコータルマエ」
1
2
3
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

安井式上がりXハロン攻略法安井式上がりXハロン攻略法

(秀和システム)


記事一覧へ
勝SPA! 
おすすめ記事