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65歳で貯金ゼロ…作家・中村うさぎが直面する老後の不安「生きるためには働くしかない」

無力な存在になって地に足がついた

中村うさぎ

自宅で飼っているという猫たち(※本人提供)

――現在、旦那さんに介護してもらう立場になったことを、どのように受け止めていますか。 中村:もともと人に頼るのが好きではない性格だったので、介護を受けざるを得ない状況になった時、ひどく落ち込みました。自分が無力な存在になったので、今はもう仕方がないと思って受け入れていますが。  でも、このような立場になったことは、少し謙虚になるよい機会だったと思います。病気をしていなかったら、ずっとブイブイ言わせていたでしょうから。いつまでも調子に乗っていられないと自覚する身体になったことで、地に足がついたような気がします。 ――夫婦で猫を飼ってらっしゃるそうですね。 中村:以前は7匹飼っていましたが、3匹死んで、現在は4匹います。夫が動物愛護家なので、捨てられた猫を見ると放っておけず、拾ってくるんです。私を介護してくれているのも、弱者救済の思いがあるからかもしれませんね。彼のような人と出会えて本当によかったと思います。 <取材・文・撮影/秋山志緒> 【中村うさぎ】 1958年、福岡県生まれ。同志社大学卒業。0Lやコピーライターなどを経て小説家デビュー。ライトノベル『ゴクドーくん漫遊記』シリーズ(角川スニーカー文庫)や買い物依存症の日々を赤裸々に描いた『ショッピングの女王』(文藝春秋)シリーズがベストセラーに。『女という病』『私という病』(ともに新潮社)『うさぎとマツコの往復書簡』(双葉社)など著書多数。X(旧ツイッター):@nakamura_usagi
大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle
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