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“うつ状態の引きこもり生活”を経て…65歳の作家・中村うさぎが再び美容整形に挑むワケ

 買い物依存症やホストクラブ通い、美容整形など自らの体験をエッセイに綴り、内なる欲望を言葉で表現してきた作家でエッセイストの中村うさぎさん(65・@nakamura_usagi
中村うさぎ

作家でエッセイストの中村うさぎさん

 2013年に緊急入院し、生死をさまよい、現在も身体の不自由さを抱えて生活している。「あの時、死んでいればよかった」と思い悩むうつ状態の日々を経て、今年夏にアンチエイジング整形手術を受けた。40代の頃「女優・奥菜恵に変身する」企画で整形したうさぎさんが、60代の今、なぜ再び整形に挑んだのか?

引きこもり生活から社会性を取り戻す

――2018年にX(旧Twitter)を休止し、今年8月に再開された経緯を教えていただけますか。 中村うさぎ(以下、中村):2013年に病気になってから足が不自由になり、家に引きこもりがちになりました。徐々に人と会って話すことも嫌になり、うつ状態でした。2018年ごろからTwitterも休止して、ほとんど誰とも会わない生活を続けていたんです。でも、ようやく最近になって少しずつ元気が出てきて、友人に会うようになり、Twitterも再開することにしました。 ――再び整形しようと思ったのも、活動的になったからですか。 中村:そうですね。引きこもり生活では誰とも会わないんで、「見た目なんてどうでもいい」と思って、太っても気にならなかった。でも、人に会うようになると人目が気になって、ダイエットを始めたんです。体重は落ちたものの、脂肪が取れた分、今後は顔のシワが目立つように……。かつての美容整形の主治医である高梨(真教)先生に相談したら「じゃ、整形しようよ」って話になりました。

同世代の美容整形の経過情報が少ない

中村うさぎ

目の下リフトの手術を受けた直後の様子(※本人提供)

中村:最近ではK-POPブームの影響もあり、プチ整形をカミングアウトする人も増えています。とは言え、手術を伴う美容整形についてはカミングアウトすることに抵抗感がある人が多いように思います。  私と同世代には、老化とともにシワやたるみが気になって美容整形に興味を持っている人も多いですが、ダウンタイム(施術後、皮膚が落ち着くまでの期間)の経過についてなど、あまり発信されていません。なので、私がレポートしようと思って。  そこまで気持ちが外向きになったことに、自分でも驚いています。外見を気にすることは、ただの見栄です。でも、見栄は他者の目があってこそ。家に引きこもっていたら、見栄も何もないですから。見栄も社会性の一部なんだなと実感しましたね。
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車いす生活で「顔はどうでもよくなった」
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大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle

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