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ビールの売り子兼アイドルが明かす「球場で嫌われる客」の特徴

“誕生日アピール”が功を奏すことも

太田明里さん

始球式を務めたことも

気候に加えて、試合展開が売上に影響することも少なくなかった。 「試合の流れが良くないと売れにくいですね。でも、勝てば勝つほど売れるかといったらそういうわけでもなくて。逆に盛り上がりすぎていると、みんなゲームに集中しちゃうから見向きもしてもらえないんですよ(笑)」 ビール売り子にとってビールの売れ行きは死活問題だが、太田さんはビール販売においても“アイドル力”を遺憾なく発揮していた。 「ファンの方々がよく球場に足を運んでくれて、応援のためにたくさん買ってくれていました。今でも本当に感謝しています。また、自分が誕生日のとき、球場のお客さんに『今日、私誕生日なんですよ』と伝えてまわっていたら、初対面の方なのにビールを樽ごと購入してくれた人がいました。とてもびっくりしましたが、嬉しかったですね」

試合中は邪魔もの扱いされることも多い…

しかし、時には困ったお客さんもいたらしく。 「写真撮影はNGなのに、バシャバシャとカメラを向けてくる人がいました。ちょっと前までは撮影がOKだったらしいので、ルールが分かってない人は仕方がないのですが、注意しても聞いてくれない人がいるのは悲しかったですね。あと、狭い通路で大きな樽を背負っているため、結構邪魔もの扱いされることが多くて。試合を見えづらくしてしまっているのはすごく申し訳ないのですが、樽を手で押して避けたりするのは危ないのでやめてもらいたかったです」 何かと苦労が多そうなビール売り子だが、アイドル業界もなかなか過酷なイメージがある。正直な話、ビール売り子とアイドルはどちらのほうが大変だったのか。 「うーん、どっちも大変ですね(笑)。私たちはローカルアイドルだったので、とにかく集客が大変で……。お客さんがまったくライブに来てくれないと、メンタルが落ち込んでしまいます。同様に、ビール売り子も売れてない日は結構しんどくて。売れないと、背負ってる樽がずっと重たいままなんですよね。他の人が売れているのに自分が売れていないと、樽も心も重たいというか……。でも、どちらもすごく楽しかったので続けられたんですけどね」
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恋愛関係に発展することはあるのか?
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1994年生まれ。フリーランスライター兼タレント。ミス東スポ2022グランプリ受賞。東京スポーツ、週刊プレイボーイ、MEN'S NON-NO WEB、bizSPA!フレッシュなどで執筆。隔月刊漫画雑誌「グランドジャンプめちゃ」にて連載中の漫画「スワイプ」の原作も務める

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