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34歳男性が語った「男らしさから降りていい」という言葉の無責任さ。家族の借金を800万円以上肩代わりしたのに…

「自分がもし女性だったら…」

「自分がもし女性だったら、すぐソープ嬢になっただろうなと思います。あとは、最近話題になった、パパ活でお金を引っ張る“頂き女子”もやるでしょうね。犯罪ではないまでも、あまり褒められたものではない副業も実際やってきましたし、生きるためなので手段を選んでいられません」  こうして見ていくと、関口さんの人生はすべてが綱渡りだ。もしカードローンの借金を低利で貸し替えてくれた友人がいなかったら。もしがん保険に入っていなかったら。もし、関口さん自身が借金を返していこうと思うバイタリティや、体力の持ち主でなかったら。関口さんはインタビューに応じることすら不可能な場所へ、追いやられていたかもしれない。

“男らしさから降りていい”という言葉の無責任さ

「よく、女性が『男らしさから降りていい』って言うじゃないですか。あれって、意味ないよなって思うんですよね。降りても生きていく道がないじゃないですか。そうやって、ただの弱者になった男性と暮らせる女性って、いないと思うんですよ。僕も元恋人との交際は破綻したわけですし。女性が稼ぐようになっても、いまだに下方婚する人は少ないですよね。マインドの話だから、女性に変われといって変わるものでもない。安全圏から言うのは簡単ですけれども、こういう事実がある限り、自分で強くなって、逆境をはねのけるしかないんです」
弱者男性パンデミック

イラスト/サレンダー橋本

 男性たるもの、一家の大黒柱になるだけの稼ぎを持つべきだ。男性たるもの、苦難に襲われても自分でなんとかすべき。こういった言葉を聞くと「昭和かよ」と笑いたくなる気持ちはわかる。だが、現在の男性は実際のところ、昭和とそう変わらない環境に置かれているのではないか。 「男だって弱音を吐いていい、泣いていい」と言われたところで、その声に耳を傾けてくれる人は少ない。最終的には自助努力で何とかしろと言われるのならば、最初から弱みを見せることに意味はあるのだろうか。そんな疑問を、すべての男性は抱かざるをえないはずだ。
ライター、経営者。主にキャリアや恋愛について執筆。5000人以上の悩み相談を聞き、弱者男性に関しても記事を寄稿。著書に『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)。X:@10anj10

弱者男性1500万人時代 (扶桑社新書)『弱者男性1500万人時代』 (扶桑社新書)

データで読み解く“弱者男性国家”ニッポンの現在

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