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外資系企業に入社した“期待のバイリンガル社員”が早々に退職したワケ「数分の時間オーバーで同期に土下座して…」

カウンセリングを受けた結果

 気になった金子さんは、村岡くんのような行動をとる人についてネットでいろいろ調べたそうです。その結果、少し不安材料が散見されたので、一度カウンセリングを受けるように指示したそうです。 「たぶん彼は繊細な心の持ち主なんだと思います。でも、それが原因で彼にはよくないことが起きていると思います。しばらくしてカウンセラーから金子さん宛に結果が届きました。どうやら村岡くんは、必要以上に周囲を意識してしまう、いわゆるHSP気質なのだそうです」  後日、金子さんは村岡くんと面談し、カウンセリングの結果をかいつまんで説明したといいます。 「カウンセリングを受けて以降、彼は少し元気がない様子でした。たぶん、なんとなく状況を案じていたようですが、私は『繊細さがネックになっているから私生活で損をしている』と告げました。村岡くんは素直に首を縦に振り、ひととおりの話を終えた後その日は退社しました」

彼が自ら考えて選んだ道

新入社員

※画像はイメージです

 その後、リフレッシュしてもらえたらという思いで、村岡くんに3日ほどの休暇を与えた金子さん。しかし、休暇を終えた村岡くんの姿は意外なものだったといいます。 「休憩できてスッキリしてくれたらって思ったのですが、それとは裏腹に、驚くほど覇気がなくなっていたんです。それだけではなく、その場で丁寧に辞表を手渡され『ありがとうございました』と一礼をして会社を後にしました。まさか退社するとは思っていなかったので、急な彼の行動に正直驚きました」  辞表の封筒に入っていたメモには「実は中学時代に同じようなことがあり、その時もカウンセリングを受けていた」と書かれていたそうです。 「そのメモを見て、とても複雑な思いになりましたが、彼の決断は尊重したいです。私も今回の件で得た経験を無駄にしないよう、部下との向き合い方に生かそうと思います」 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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