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「タイパ重視のデキるヤツ」と“勘違いした”新入社員。先輩の神対応で性格が変わるまで

 タイムパフォーマンス(タイパ)ばかりを気にして、上司や同僚に不満を漏らす新入社員も少なくないようだ。そんな新人社員と営業成績トップの先輩社員のやり取りで印象に残っている場面があると話すのは、自身も当時は新人だった鹿田桐人さん(仮名・22歳)
飲み会での乾杯シーン

※画像はイメージです

偉そうな態度で飲み会を拒否

 鹿田さんと同時期に入社したのが、とにかくタイパを連呼するT浩さん(22歳)だった。話す言葉には多数のビジネス用語が横文字で散りばめられ、話す内容はすべてフワっとした抽象的なことばかり。常にタイパを気にして連呼し、先輩や上司を困らせていた。 「T浩の口癖は『タイパが悪いことはしたくないんだよね』『この会社で営業のノウハウを学んでサッサと起業するつもり』などで、すぐにマウントをとりたがる感じ。営業成績トップのH基(27歳)先輩以外のことは見下している様子でした」  そのため、H基先輩以外の先輩や上司から仕事の指示があっても、「これ、タイパよくないと思うので改善していただけませんか?」などと、偉そうな態度で拒否。飲み会や食事会なども「時間の無駄」と、当然いつも不参加だった。

「こんなことをやる時間があるなら」

クライアントとのお付き合いでさえ、時間の無駄とバッサリ。しかも、自分のことを“効率重視のデキるヤツ”だと自己評価するため、まわりからは“痛いヤツ”だと思われていました。そういう考え方や態度はクライアントにも伝わっていたようで、評判も最悪」  担当を変えてほしいという苦情も少なくなかった。それでも職場は、パワハラなどを恐れてキツく注意をしない。そのためT浩さんは、さらに横柄になっていく。鹿田さんとH基先輩、そしてT浩さんの3人で会議室を片付けることになったのは、そんなある日のことだった。 「T浩は『会議室の片づけを社員にさせるのはおかしい。こんなことをやっている時間があるなら、資料をひとつ作れる』など、1人で文句を言いながら、ダラダラと作業。口だけ動かして手が止まっているので効率がものすごく悪いのに、本人は気づきません」
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尊敬する先輩は「いつも飲み会に行ってる」
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フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

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