更新日:2024年03月15日 16:17
恋愛・結婚

銀座ホステスが1セット4000円の安キャバに勤めてみたら…出会った“痛客”の珍言動5選

②コロコロ指名嬢を変え、「お前ら俺のために喧嘩をするのはよせ」とキャバ嬢を諭す

池袋駅東口 それから約1週間後のこと。待機席でスマホをいじっていると「いらっしゃいませ」とスタッフの声がします。声の方をチラッと見るとケイジ君でした。でも、最初に会った日とはまた別のお姉さんを連れて同伴出勤しています。  はにゃあ?と思って見ていたら、ケイコさんと私が席に呼ばれました。 「お前らもういいわ……俺、レナにするわ」  ケイジ君はそう言って鼻を鳴らすと、携帯電話の待ち受け画面を私たちの方に差し出しました。待ち受け画面には、レナ嬢(仮)の写真が設定されていました。あーはん、そういうことね。いるんです。本命嬢(この場合はケイコさん)の気を引きたくてあえて別の女の子を指名するおじさん。ちなみに逆効果です。  とはいえ仕事中なので、「えー、悔しい!」「いいなー」と、調子をあわせました。すると彼はまた鼻を鳴らして「お前ら俺のために喧嘩をするのはよせ」と私たちを諭しました。  こんなにキャバクラを楽しむ才能のある人っていないと思います。  ちなみに時給数千円の安キャバなので、ロッカールームはいたって平和です。誰もそこまで血眼になって指名本数にこだわっていません。どちらかというとケイジ君を譲り合い、押し付け合うムードがありました。

③口パクでGACKTの「ラブレター」を歌いきる

   後日、また待機席でスマホをいじっていると「いらっしゃいませ」と威勢のいい声がして、ケイジ君が現れました。その日、席に呼ばれたのは私オンリーでした。恐る恐る隣に座ると、 「いじけんなって……仲直りしようぜ」  と、彼はおっしゃいました。喧嘩した記憶がないし、そもそも1度も仲が良かった覚えがないのでポカーンとしていると、「とりあえずカラオケでもすっか」ということになりました。  郊外にある某キャバクラでは、10枚組になったカラオケチケットが1000円とかで売っていて、お客様はそちらを購入し、好きな女の子に歌わせたり、歌ったりして楽しむのですが、彼の遊び方はかなり独特でした。  デンモクにGACKTの「ラブレター」を入れて、とおっしゃるのでその通りにすると、イントロが流れ始めます。やがて歌い出しの部分になるのですが、なぜか彼は歌いません。歌詞に合わせて口を動かし、私の目をじっと見て座ったままです。時々マイクにかかる吐息と鼻息しか聞こえません。これを毎回やられて、恐怖とストレスでめちゃくちゃ肌荒れしました。
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鳴りやまない電話…
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1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989

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