更新日:2024年06月14日 04:45
スポーツ

“アンチ立浪”の気持ちもわかる…中日応援団の代表が語る「それでもドラゴンズを応援し続ける」理由

居酒屋で偶然会った中日ファンと意気投合し…

「関東燃えドラ会」を作るきっかけとなったのは、今から21年前のこと。ナゴヤドーム(現・バンテリンドーム)での阪神戦が終わったあと、栄の居酒屋で顔なじみの阪神ファン20人と飲み会を行うことになった。このとき時川さん1人だけが中日ファンで、それ以外は全員阪神ファンだった。肩身が狭くなっていたところ、別の席にドラゴンズのユニフォームを着た客が数名いた。そそくさと近づきと話をしたところ、全員が関東在住だということが判明し、後日東京都内の居酒屋であらためて顔合わせをした。 「話してみたら、みんな『ドラゴンズ愛』が強くあったんです。それに応援スタイルについても私と考えが共有できる点が多々あった。『ここにいる全員でこれからもドラゴンズを盛り上げていこう』とポジティブな話でそのときは終わりました」 その後、球場に集まって応援を続けているうちに、1人、また1人と時川さんに同調する人が増えて、気づけば100人を超える大所帯となっていた。

「チームに対する批判」はご法度に

関東燃えドラ会

全国に支部があり、会員は150名ほどいるそうだ

現在、「関東燃えドラ会」の会員は150名ほど在籍している。関東、名古屋、関西、北関東、北海道、売り子の6つの支部がある。売り子とは、かつて球場で売り子をしていた女性が、「みんなで一緒にドラゴンズを応援したい」という理由から合流。その後、支部となった。 この会のモットーは「明るく楽しく応援しよう」。だからこそ、チームに対する批判はご法度にしている。 「名刺に『中日ドラゴンズを楽しく応援する大人の仲間たち』という文言を入れている通り、『監督を含めた首脳陣や選手のことを批判するのは止めましょう』と言っています。 批判した人は言いたいこともあるのでしょうが、会員のなかには批判した選手のファンもいる。『あの人は私が応援している選手のことを批判した』と言って、そこで口論が起きてしまって野球を見られなくなったということが過去に何度かあったので、『批判はナシにしょう』と決めています。 また、試合が終わった後にお疲れさんというねぎらいの意味も含めて飲み会を開催しているのですが、つい熱くなって監督の采配やチャンスで打てなかった選手のことをあれこれ厳しく指摘する者もいる。こうした人は会の趣旨をあらためて伝えて参加していただくように促すなんてこともあります」
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“アンチ立浪”について思うことは…
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スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』(双葉社)
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