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「デスクで納豆を食べる」新入社員が、まさかの3か月で退職するまで。涙目で語った“奇行のワケ”とは…

涙目で語った“奇行のワケ”とは

 ところが三船くんは突然涙目になり、自分の行動の理由を話し始めました。それは、入社してすぐに感じ始めた“自分の実力不足”だったと言うのです。 「新人なのに既に仕事に忙殺されて、毎日の残業は当たり前、オフィスで朝を迎えるのもザラだったと。だからってなんで電熱器なんだ?とも思いますが、“会社に住んでる”ような感覚だったのでしょう」  たまに理系の大学で研究室に住んでる状態の人がいますが、彼もそのタイプだったのかも(しかし、新人が朝までいるのに現場の上司は放置してたのか?と疑問ですが、放任主義の会社なんでしょうか)。 「彼が自分の実力不足に悩んでいた、というのに少し驚きました。明らかに他の誰よりも難関な大学で、しかも宇宙工学というワンランク上の学部出身であるにもかかわらず、同期の足を引っ張っている自分に焦っているようでした。  私にコーヒーをすすめてきたのは、彼なりのご機嫌取りだったのでしょう。まあ、その辺も少し変ですけどね。彼は大学で、さらに高度な言語を使用して研究していたはずです。私たちの現場では、一般的な言語やフレームワークを使用しているので…。それで戸惑って焦ったのかな」

納得して会社を去っていった

 近藤さんは、その後上司とも話し合いをし、今後三船くんをどのように扱うか検討したそうです。 「たしかに彼はハイスペックな人材です。でも、だからといって特別扱いするのも正解ではないという意見で一致しました。彼が求められる場所はある気もするので、もう一度面談することにしました」  ところが、面談予定の前日に、三船くんは大きなカバンを手に持って現れたといいます。 「びっくりしました。いきなり『お世話になりました。実家の北海道に帰ろうと思います。よく考えたら、僕には開発とか研究とかは似合わないんです。というか、みんなに迷惑なんです。存在が』と、低いトーンで話したんです」  しばらく沈黙が続いた後、近藤さんが今後のことについて尋ねると、北海道の祖父に弟子入りして漁師になるのだとか。 「いやあ、彼、本当に変わってますよね。でも、その方が向いているような気もしますよ。彼だったら、なんかスゴイ漁船か何かを開発しそうですし」 漁師への転身が本当なのか、言い逃れなのか、定かではないですが…。 <文/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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