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「電気代が必ず高くなってしまう家」一級建築士が警告する“致命的なリスク”――2023年大反響トップ10

「HEART20のG2で設計をお願いします」と伝える

高気密高断熱 それでは、どうすれば他の先進国にも劣らない「高気密高断熱の家」を手に入れることができるのでしょうか? 「HEART20」という基準を採用するのが一つの方法です。「HEART20」にはG1とG2という2つの基準があり、G2のほうが外壁の断熱性能が高いことを示しています。  もし東京でアメリカ並みの断熱性能を持たせようとしたら、「HEART20のG2で設計をお願いします」といえばいいでしょう。さらに「C値は最低限、1を切るようにお願いします」と付け加えれば、ほかの先進国でいう本来の「高気密高断熱」の家が手に入るはずです。

建築後に気密性を高めるのは困難

 少し専門的な話をしましたが、残念ながらこれから家を建てる場合には、一般の人がこうした知識を持っていないと「高気密高断熱」の家は手に入りません。  すでに建ててしまった家の場合、内窓を付けたり、断熱改修を行ったりすることで断熱性を高めることはできますが、残念ながら気密性は高めるのは難しいので、できるだけ早めに知っておくに越したことはないのです。  ますます今後も光熱費が高騰していくことが予想される昨今。住まいに関する自分の武器となる情報をしっかりと活用してみましょう。 <TEXT/一級建築士 八納啓創>
1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中
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