お金

ファンヒーターを“メインの暖房器具”で使うべきではない理由。「電気代で考えると一番もったいない」

「追い焚き」より「高温足し湯」を使え!

中村剛氏

東京電力エナジーパートナーの中村剛氏

最後に筆者が気になるのがエコキュートの追い焚き機能についてだ。エコキュートと言えば少ない電力で、しかも電気代が割安な夜間などにヒートポンプを稼働させ、貯めたお湯を給湯する仕組みだが、そんなエコな仕組みに胡座をかいて、つい多用しがちなのが「追い焚き」だ。 入浴の番が最後に回ってきた場合などは「そんな気安く使って良い機能なのか?」と、ぬるくなった浴槽に浸かりながら逡巡することもある。 「お湯を入れ替えずにお風呂のお湯を配管に戻して熱交換する仕組みの『追い炊き』より、『高温足し湯』のほうが、電力の消費としては効率的でオススメです。何より新鮮なお湯が入ってきて衛生的でもある。お風呂の番が最後で水位が減っている場合もですが、あえて浴槽からお湯を抜いてでも積極的に使ったほうがいいと思います」

「ポータブル電源」の導入を考える筆者だが…

筆者はここ数年、少しでも電気の自給自足を考えて、ソーラーパネルで発電・蓄電できるポータブル電源の導入もボンヤリと検討している。電子レンジなども使えるタイプも多いらしいので、日常的に活用することも含めて考えているのだが、初期投資分を日々の電気代で回収することは現実的に可能だろうか? 「蓄電池や太陽光パネルの耐用年数を考えると、ペイするのは正直難しい気がします。お湯などの熱エネルギーは断熱さえしっかりやれば、ある程度は溜めておきやすいんですが、やっぱり蓄電ってなかなか難しくて今の技術だと効率が悪い面もあるというか。基本的にポータブル電源は防災やレジャー用途のために購入するのが、やはり良いと思います。戸建なら取り付けた太陽光パネルで発電した電気を自家消費するのが、最も効率的で電気代の節約にもつながりやすいんですけどね」 オール電化マンションなどでは一般的なオール電化メニューを活用し、省エネや節電を考えることが現実的なようだ。 <取材・文/伊藤綾> 【中村剛】 東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務。2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在”家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報発信を行う。無類のネコ好き。
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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