家庭によって貧富の差があるのは、『ドラえもん』を観ていれば自然に学習できると思いますが、昨今、ユーチューブばかりでテレビを観ない子もいるそうなので、もし『ドラえもん』を観ていないようでしたら、一度ご覧になっていただくのがよろしいかと存じます。画面からは離れるよう説明をお願いします。 　あらゆる場所で貧富の差は存在します。ただそれを全面に公開するのはデリカシーがないということで、共存社会には工夫が仕組まれているようです。特に学校では、代々受け継がれた工夫があります。 　しばしば議論になりますが、給食や制服はその一端を担っていると考えられます。個人的には、とても優しい工夫だと思います。貧富の差をぼかすだけでなく、毎朝の面倒くさいお弁当作りや煩わしい服選びを省略してくれます。 　ゆくゆくはこんなことも息子さんに説明していただいて、先人たちの知恵に触れさせてあげるのも有意義だと思います。そしてこれを説明する前には、次の真実を説明してください。「地球には約80億人いるけど、金持ちでないのが普通で、金持ちが稀なのだよ」。 　子どもに説明しておくことってまだまだたくさんありますから、生活環境や金銭事情は家庭によって違うと説明する暇なんてありませんね。 ★大事なお金を大事なものと交換していると教えよう イラスト／とあるアラ子　図版／ミューズグラフィック’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数