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約束の「猫の世話」をしない8歳娘。「動物を飼う責任をわかってもらうには…」悩む親に笑い飯・哲夫がズバリ回答/がんばらない教育

モノだったら言える愚痴も、猫となると言いづらい

短期集中連載 おそらく、初めてバイクが家に来た時、娘さんは大喜びしたでしょう。そしてしばらくはバイクの世話をして、オイルが漏れたらそのオイルを拭いて、定期的にオイルエレメントも交換していたでしょう。  しかし何か月かたつと、娘さんはオイルの漏れを拭かなくなり、オイルエレメントも全く交換せず、とどのつまりエンジンの働きは鈍くなっていったであろうと推測できます。  そこでお母さんはどうするでしょうか。代わりにバイクのメンテナンスをやってあげるでしょうか。やりませんよね。中古バイクの買い取り屋に売りますよね。  でももし、お母さんが不調になったバイクのメンテナンスをすることになったら、お母さんは娘さんに何と言うでしょうか。それはおそらく、「なんでお母さんがこんなことせなあかんのよ」ですよね。  バイクだったらすっと出てくるこの愚痴も、猫となると出てこないんですよね。かわいいですからね。しかし、この切実な思いは娘さんに伝えるべきです。お母さんが猫のトイレ掃除をするたびに、来る日も来る日も伝えるべきです。

親の苦労を訴えることで思いやりを育む

「どうしてママがこんなことしなくちゃならないの」  微妙に言い方が変わることもあるとは思いますが、日々同じ内容を伝えるのは、教育における常套手段です。反復してあげると子どもは理解していきます。ただ、お母さんの伝えたいことの神髄は、「あなたが飼いたいと言って飼っている猫なんだから、あなたが責任を持ってトイレ掃除をやりなさい」だと思います。  しかし直接そう伝えるよりも、お母さん自身の苦労を言葉にして訴えることによって、人間への思いやりも育めるのだと思います。
哲夫

笑い飯・哲夫

★親の苦労を訴えることで思いやりを育んであげて
’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数

がんばらない教育

格安補習塾を経営する哲夫による画期的な子育て論

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