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『婚活1000本ノック』も…?“ここ数年のテレビドラマ”が多用する、とある演出に食傷気味な件

福田麻貴を「モノローグなし」で楽しみたい

本作の主演に福田の起用が決まったとき、「えっ、大丈夫かしら」と思ったのが、正直なところ。でもまぁ、「3時のヒロイン」のリーダーとして、あれだけ愉快なネタを書いてきたコント職人だ。 実際、コントのノリで安定した演技を見せてくれている。第2話を見ると、官能小説家としての日々の気苦労や婚活相手との軽妙にして誠実なやり取りなど、結構鮮やかな感情表現が浮かんでいる。あるいは第3話、婚活を続ける綾子が、熱盛と命名した情熱的なラテン男(大貫勇輔)から返信があって天にも昇る思いがする瞬間。「私は今」という綾子のモノローグに合わせて、今井美樹の「PRIDE」が流れる演出はご愛嬌か。 福田のポワポワ、フワフワな表情に対するモノローグや選曲が、何だかクセになってもくる。でもコント的なノリでノリ切れないところをモノローグでうまいこと器用に補足している瞬間が多々ある気もする。 要するに、イージーなモノローグ使用が現状の課題になっているのではないか。モノローグ場面でこそ、むしろいい表情をしている福田は裏をかいていると言えなくもない。それだけに、ドラマ俳優としての気概十分に初座長をはる初主演の演技を、モノローグなしで楽しむのもありかなと思ったり。 <TEXT/加賀谷健>
コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションでR&B部門を立ち上げ、企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆。最近では解説番組出演の他、ドラマの脚本を書いている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
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