更新日:2024年03月25日 11:35
仕事

「月給は20万円、週末はタダ働きで予防接種」…男子高校生が将来なりたい職業で“3位”も、意外と寂しい医師の懐事情

LINEリサーチが中高生を対象に行った調査の結果(2024年1月5日発表)によると、男子高校生が将来なりたい職業での3位は「医師」。2022年の同調査では10位だったが、コロナの影響かランクアップした。 医師は当然、誰もがなれる職業ではない。女の子といちゃついて青春を謳歌している同級生を尻目に、猛勉強をした末に、やっとの思いで医師になった先には……意外な罠が待ちうけている。
医師

※写真はイメージです。以下同

筆者(綾部まと)は新卒でメガバンクの法人営業部門に入行し、医療法人を新規開拓した経験がある。その取引先は多くの勤務医を抱えており、当時の銀行担当者からは彼らの給与や生活ぶりについて教えてもらってきた。 それらは世間がイメージする“お金持ち”の医師とはかけ離れたものであった。今回は意外と寂しい、都内の勤務医を中心とした医師の懐事情をご紹介する。 もちろん、筆者の担当した一部の医療法人に教えてもらったもので、全ての医師がそうとは限らない。開業医や院長や教授など、例外も存在することを前置きしておく。

①「博士号を取るために、大学院の学費がかかる」

「大半の医師は医学部を卒業しても、数年後に再び学生に戻ります。6年間で2000万〜4500万円かかる私大医学部学費を払い終えて医師になった方も、例外ではありません」と、当時の銀行担当者は明かす。 それは博士号を取得するためで、「博士号を取って、やっと医師として一人前」という風潮があるからだという。大学院に通うことになるので当然、授業料がかかる。 「彼らは授業料を払うために、平日は東京の病院で勤務をして、土日は地方のクリニックまで新幹線で行き、当直や日直のアルバイトをして稼ぎます」 しかし好条件のバイトはすぐに埋まってしまう。業務の隙間時間に、バイトの情報をチェックしている医師は多いらしい。だが博士号を取るためのハードルは、授業料だけではない。

海外の学会発表で、お金が飛んでいく

「博士号を取るには論文の提出や臨床の件数の他にも、学会発表はマストです。博士号に興味がない医師も、専門医を取るためにやはり学会発表は必要。大きな学会は海外で開催されるものが多く、ほぼ確実に海外出張が発生します」 海外出張と聞くと、商社マンのように会社のお金で接待を受けにいく印象が強いかもしれない。しかし医師は全く異なる。大学や病院が経費として出してくれる学会ばかりではなく、自費で行くものもあるからだ。現地での生活も、慎ましいものである。 「飛行機はもちろんエコノミークラスで、宿泊先はビジネスホテル。アメリカの大都市など物価高の土地では、ファストフードのチェーン店で朝晩を済ませることも多いみたいです」 ちなみに長距離移動が苦手でビジネスクラスに変更した医師は、ライバルに気付かれて医局に通報されたこともあったらしい。東大理Ⅲ卒のキャリア組だったはずの彼だが、人事異動で九州に飛ばされてしまった。それだけ“清貧”の風習がはびこっているのだろうか。
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大学病院の給料は…
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ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

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