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女優・原菜乃華が恋愛映画ヒロインに初挑戦。家では「錆びた包丁を綺麗に研ぐ動画」を熟視

高校を卒業してから「より貪欲になった」

――原さんは子役として芸能活動をスタートしていますが、もともと芸能界に憧れたきっかけはあったんですか? ベビーカーに乗っていた頃にスカウトされて、それからオーディションとかに行くようになったので、はじめの頃はあまり記憶がないんですよね。 ――もう、自分の意思じゃなく始めて。 半分、自分の意思ではなかったとは思うんですけど、でも、私は『きらりんレボリューション』というアニメが大好きで、主人公の月島きらりちゃんに憧れて芸能界に入ってきました。 ――そこから、演技を仕事にしていこうと決めたターニングポイントのようなものはありましたか? いくつかあったんですけど、小学校1年生のときに短編映画の主演をすることになり、初めてセリフをたくさんいただいて「あ、楽しい」と思ったことが、お芝居をやりたいと思った最初のきっかけです。 あとは、やっぱり高校や大学に進学するタイミングで、普通の学校に進むか、退路断って頑張るか悩んでみたり、節目節目でターミングポイントはあったんですけど、やっぱり最終的には自分にとってお芝居はなくてはならないものだなと思いました。 ――確かに、ここ数年で多くの話題作に出演されています。やっぱり、高校を卒業してから仕事への意識が変わったのでしょうか。 そうですね。“これで、ご飯を食べていく!”と、より貪欲になったような気がします。この先どうなるかはわからないので、いまあるお仕事ひとつひとつが次に繋がるように頑張りたいという意識は、より強くなったなと。 ――20歳を迎えた昨年は、原さんにとってどんな1年になりましたか? 年末になると、あちらこちらで「1年あっという間」って言葉が聞こえてくるじゃないですか。初めてその感覚が「わかる!」って思いました。 カレンダーアプリでスケジュールを管理していて、お仕事の日を赤色にしてるんですけど、過去イチ真っ赤になったのが嬉しかったです。高校生のときは、芸能科に通ったのにレッスンにしか行っていない日々があって、悩んだりもしたので、本当にありがたくて。夢にまで見た生活を送れていて、本当に幸せです。 ――心配症なだけに、その喜びはなおさら大きいのかもしれないですね。 目の前のことにいっぱいいっぱいで、普段はあまり立ち返る時間がないんですけど、街中で自分の映ったポスターがあったりすると、「え!?」と思ったりします(笑)。「冷静に考えて、すごくないか?」みたいな。ついこの前まで、そんなこと夢にも思わなかったので。 ――お仕事的にもかなり充実しているんじゃないですか。 やりたいと思っていた目標がたくさん叶いました。小さい頃にこういうお仕事をしてみたいってノートに書き出したんですけど、時代劇は『どうする家康』、恋愛映画のヒロインは『恋わずらいのエリー』でと、やりたかったことが次々にできていることにびっくりしています。『大丈夫だよ』とあの頃の自分の背中をさすってあげたい気持ちですね(笑)。 ――ちなみに、いま叶えたいと思っている夢はありますか? 今は「こういうお仕事したい」みたいなのはあまりなくて、ずっと続けていけたらいいなと思っています。 一昨年の『すずめの戸締まり』で声のお仕事をさせていただいて、最近もナレーションのお仕事をやらせていただいんですが、毎回「絶対できない!」と思うんですよ。でも、任せたいと言ってくださる方がいる以上は、精一杯頑張りたくて。それが、のちに自分の好きなことや、仕事の幅を広げることにつながっていくかもと思ったら、何事も「無理」と言わずに挑戦していきたいと思えるようになりました。 ――いままで以上に反響をもらうことも多くなっているんじゃないですか。 私はもともと友達がそこまで多くないので、声をかけてくれる子が増えたとかはないんですけど、友達が「原菜乃華好き」って言ってるよ、みたいな報告をチラチラ聞くようになって(笑)。「嘘だ!」と思ってますけど、そう言ってくれるのはすごく嬉しいし、夢みたいで信じられないです。 あとは去年の写真集のイベントで、応援してくださる方と直接お話する機会があったんですが、「〇〇から好きになりました」とか「〇〇見ました、よかったです」って言ってもらえたりすると「あの作品で知ってくださった方が意外と多いんだ」って知ることができたのも楽しかったです。みなさんすごく優しくて、たくさん褒めてくれて、好きって言ってくれて、本当にありがたいなと思いました。だからこそ、もっともっと成長できるように頑張っていかないといけないなって、切実に思いましたね。 【原 菜乃華】 2003年、東京都生まれ。2009年より芸能活動を開始。2022年に映画『すずめの戸締まり』でヒロインに抜擢され注目を集める。以降、映画『ミステリと言う勿れ』、大河ドラマ『どうする家康』、『泥濘の食卓』での演技も話題に。「第47回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。3月15日公開の映画『恋わずらいのエリー』では、念願の少女漫画ヒロインに挑戦。学園のさわやか王子の妄想をSNSに綴っていた女子高生に起きた衝撃の展開とは……。 撮影/唐木貴央 取材・文/森野広明 ヘアメイク/馬場麻子 スタイリング/山田安莉沙
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