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『北の国から』『鉄道員』の聖地も営業終了。「根室本線」の廃止区間を巡ってみた

 鉄道ファンの中には、撮り鉄や乗り鉄、音鉄、模型鉄などいろんなタイプがいるが、廃止間近の駅や路線、引退が発表された車両を最後に一目見ようと訪れる“葬式鉄”と呼ばれる人たちもいる。  筆者は鉄道ライターではなく、あくまで個人的な趣味でまわっているのだが、分類するなら乗り鉄。ただし、同時に変わった駅や田舎の秘境駅も好きな駅鉄で、さらに廃止間近の駅に足を運ぶ葬式鉄でもある。  3月末には根室本線の富良野―新得間の81.7㎞の廃止に伴い、同区間にある7駅が営業終了となる。そこで休暇を利用して各駅を巡ってみることにした。
布部駅

布部駅。改装はされているが建物自体は『北の国から』第1話当時のまま

一部区間は16年の台風で不通のまま。以降は代行バスに

 ちなみにこの区間は、2016年8月の台風10号の影響により東鹿越―新得間が土砂流入や斜面崩壊などで不通となり、代行バスとなったまま。もともと利用客の少ない区間で、復旧されることなく昨年3月30日にJR北海道と沿線の4市町村の間で廃止・バス転換することが正式決定している。  廃止は時間の問題とされていたため、それ自体に驚きはないが筆者にとっては小学校3年生の時、当時釧路に住んでいた叔父に会うために祖母と乗った思い出の路線。沿線の景色や雰囲気が好きで、大人になってからもたびたび沿線を訪れている(※参考記事『鉄道不通区間の[代行バス]に乗ってみた。日本最長116㎞の代行バス路線も』)。  ただし、富良野―東鹿越間は上下線合わせて1日9本。東鹿越―新得の代行バスは4往復と極端に少なく、1日で沿線各駅を回るのは難しい。そこで数回に分けてそれぞれの駅を訪れることに。

布部駅

布部駅

布部駅前にある倉本聰氏直筆の記念碑

 富良野駅の隣にある廃止区間最初の「布部駅」(富良野市)。ここはドラマ『北の国から』の第1話の冒頭で、五郎と純、蛍の3人が降り立った駅。ファンの間では聖地として有名だ。駅前の大きな木の下には《北の国 此処から始まる》と書かれた脚本家・倉本聰氏直筆の木製の記念碑がある。  週末だったせいか鉄道ファンだけでなく観光客の姿も。すでに夕方だったが筆者の滞在中にもひっきりなしに訪れては写真を撮ったり、待合室にあった同駅でのロケ当時のスチール写真を興味深そうに眺めていた。
布部駅

布部駅の近くで撮影した夕暮れの富良野盆地

 観光資源として活用できそうな気はするが維持費などの問題もあるらしい。富良野市の議会でも議論されているが駅廃止後の保存ついでは現時点では未定。個人的に好きな作品だったので何かしらの形で残してほしいところだが……。
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ホームと駅舎の間にエゾジカの足跡が
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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